第16章 初遠征
食事の後、政府から直接連絡があったとこんのすけに呼び出され再び審神者部屋に戻って来た。
政府「お久し振りです、名前さん」
主「あ…はあ、お久し振りです」
パソコンの画面に映る、感情の読めない冷たい目…居心地の悪さに息を飲む。
政府「そんなに身構えなくとも、其処から出て行けだなんて言ったり致しませんのでご安心を」
主「あ…本当ですか?なんだ、良かったぁぁぁっ」
政府「…だからと言って、変わり身が早すぎるのでは…」
皆と離れなくて良い、その一心で心が踊った。
皆を家族だと言ったのに、家長だと認めて貰ったのに…それを今更出来なくなっただなんて、言えない。
そうしたら、今度こそあの子達は人間を信じられなくなってしまう。
信じて欲しい…私が何としてでも皆を守ってみせるから…!
政府「手入れだけじゃありません。鍛刀にも資材を必要とする事をご存じでしょうか?」
主「あ…はい」
政府「此度連絡差し上げたのは、指示を出し遠征へと向かわせて頂きたく…時間は最初ですし、10分~20分程度で十分かと」
遠征…か。
政府「それから…こんのすけより報告を頂いております。例の本丸に居た刀剣男士を、全て回収して頂けた様で…」
主「家族に加わったんです、回収なんて言わないで下さいっ」
政府「…どちらでも構いません。人数は十分な筈、早々に本丸の本格始動が出来る様…尽力頂く様に」
冷たい声で、切り捨てる様に言われてしまう。
悔しいけれど、逆らえばあの子達と切り離されるかも知れない。
私は一つ頷いた。