第15章 御馳走
鶯丸「さあ主、茶を淹れたぞ。飲むと良い」
主「わあ、お茶大好き!鶯丸ありがとう!」
温かい茶を、湯呑みに注いでくれる。
湯呑みを手に取り、一口口に含み飲む。
主「苦味が無くて、お茶が甘い…」
温度も丁度良い。
鶯丸はお茶を淹れる天才らしい…うん、またいつか淹れて貰おう。
鶯丸「まあ、俺が渡ったのは煎茶道を開く小笠原家の元だったからな。気に入ったのならば、良かった」
みんな色々と歴史があるんだなぁ…。
ん…?一体何歳なんだ、この子達は。
小夜「皆が笑えるなんて、思ってもみなかった」
江雪「平和である事が、一番良い事です」
宗三「お小夜が言うならば、来て良かったですね」
ふふ、左文字兄弟は本当に仲が良いなぁ…和むわー。
それにしても、燭台切は一人で大丈夫なんだろうか?
来て早々に亀甲に使い方だけ説明を受けて、一人で食事作りだなんて…何だか申し訳ないな…。
三日月「ふむ…暗い顔をしているな、何かあったか?」
主「う…ん…」
三日月「奴は自ら申し出たのであろう?それは何かしら意図があっての事だろう。心配するならば、楽しみに待っていてやったらどうだ?」
………。
やっぱり、自分でじじいだなんて言うだけの事はある。
何だか全部見透かされているみたい。
主「ありがとう、三日月は優しいね」
三日月「ふ、俺は優しいか…今宵は若月、今宵の月も俺と眺めてはくれまいか?」
小狐丸「三日月殿、抜け駆けはいけませんね。ぬし様、今宵の月見はこの小狐をお側に…」
鶯丸「ふむ、ならば俺が茶を用意しようか」
小狐丸「…何故鶯丸殿と三人で月見をする事になっているのでしょうか?」
眉をピクピクとさせ、苛立ちを露にする小狐丸。
可愛い…そんな事を思っていると。