第14章 新しい家族
本丸同士、然程離れていなかったお陰か、亀甲の待つ私の本丸へは昼迄に着いた。
私達の姿を見ると駆け寄って来る亀甲に、待っていてくれる人が居る喜びを知った。
亀甲「帰りが遅くて心配したよ…ああ、留守中は何も無かったから安心して。ご主人様が居ない本丸は淋しくて淋しくて、身体が疼いたよ…。ああ、君達もお帰り…って、結構な人数を連れ帰って来たんだね?」
蛍丸「ただいまー、主と俺の本丸」
加州「はあ!?主は俺を愛してるんだから、俺と主の本丸でしょ!」
主「はいはい、此処は皆の本丸だぞー」
何故、帰って早々に言い争いが始まりそうになるんだろうか…。
でも可愛くて癒されてしまうのだから、私は相当駄目な審神者と思う。
不意に、煙と共に現れたこんのすけが咳払いをする。
こんのすけ「コホン。では審神者、昨日届いた刀剣の顕現をお願いしておきますぞ?」
その一言だけを残すと、こんのすけは再びポンッという音と共に宙で一回転して消えてしまった。
主「ちょ…もう、勝手だなぁ」
明石「あー…久々にゆっくり寝ぇたいですわぁ」
愛染「前任が居なくなってもさ、いつ新しい審神者が来るかも知れない状況でさ…皆あんまり寝れてねぇんだ」
主「そっか…今日から此処が皆のお家だから!ゆっくり休んでね、あと…」
私が言い掛けると、皆静かに此方を向いた。
主「私がこの本丸の審神者、苗字 名前です。今日から宜しくお願いします!」
と、深く頭を下げた。