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[イケメン戦国]恋唄*いろはで紡ぐ恋と蜜*

第8章 《家康生誕記念》夢に愛で、うつつに君想ふ



今日は家康の誕生日。

安土城の大広間ではお祝いの宴が開かれていた。

政宗が次から次へと料理を運んでくる。

どれも美味しそうで、本当に豪華な食事だ。

みんなで楽しく……ってはずだったんだけど……


家康、顔が赤いけど大丈夫かな?

光秀さんに勧められて、何かお酒を飲んでるみたい。

普段、そんなにお酒を飲まない家康。

あんなに顔が赤くなるまで飲むなんて珍しいよね。

本当に大丈夫かな……?


私は少し心配になって家康の近くへ歩み寄る。

近くで見てみると家康の顔はさらに赤く、火照っていた。

「家康……?大丈夫…?」

家康の肩に手を置き、反応を伺ってみる。

「……あ、檸檬?……だい…じょうぶ。」

これは……相当飲んでるよね。


その時




ぎゅっ




ーー?!?!


家康に抱きしめられた?!


私と家康は恋仲ではない。

私の一方的な片思い。

だからこんなこと絶対あるはずないのに……

「んっんん……檸檬……。」

「家康?!どうしたの?」

「檸檬を……抱きしめたくなった……。」

明らかに普通じゃない。

本当は抱きしめ返したい。

でも、今は家康が本当に大丈夫か確認する方が先だ。

「……家康?相当酔ってるみたいだけどどれくらい飲んだの?」

「うーん?酔ってない……。」

まともな会話にならない。


でも……可愛いかも。

普段、あまり人を近づけたがらない家康。普通に喋ってくれることはあっても、こんなに甘えてくることはなかった。



「……光秀さん。どれだけ飲ませたんですか。」

家康に聞いても答えてくれなさそうなので、光秀さんに聞いてみる。

「そんなに飲ませてないぞ?」

「じゃあ、なんでこんなことになるんですか?!」


その時、ふと視界に入った大きめの瓶。

ラベルには






"WHISKY"の横文字







もしかして、これ……?


中身はそんなに減っていない。

「もしかして、これ、飲ませたんですか?」


恐る恐る光秀さんに問う。

「あぁ、信長様への献上品に入っていた西欧の酒だ。今日は家康の誕生日だからな。特別に信長様から頂いたものだ。」

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