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[イケメン戦国]恋唄*いろはで紡ぐ恋と蜜*

第5章 蒼空と桔梗 [政宗] 前編


桜が散って葉桜が青々とした木陰を作り

木々の葉はそよ風に揺られ、木漏れ日は踊る

どこまでも透き通った青空は

私を捉えて、どこまでも堕としていく

手を伸ばせば届くのかな

あの深い蒼色に



******
ーーー安土城

「おはよう、政宗、家康!」

私は朝餉を取るために広間へと向かう。毎朝の同じ光景。最初こそ慣れないことばかりで少し怖かったけれど、今はこの安土城が自分の居場所だって思える。

「おう、おはよ、檸檬。」
「……おはよう。」

政宗も家康も挨拶をすれば返してくれるし、会えば話しかけてくれるくらいにまで仲良くなることができた。政宗なんかは最初会った時、刀を向けられて本当に怖かったことを覚えている。

でも、今では……私の好きな人。

傍若無人な性格だけど、ちゃんと周りも、自分の土地の人のこともしっかり考えてる。思いやりがあって、強い信念があって。そんな政宗に惹かれるのに時間はかからなかった。






でも最近少し悩み事がある。

それは……



「檸檬、ちゃんと食べてるか?」

少し考え事してたら箸が止まっちゃってたみたい。秀吉さんに声をかけられる。

「あ、ほら、ご飯粒ついてるぞ。」

秀吉さんが口元を指差す。



(えっ?!……恥ずかしい……)



慌てて取ろうと口元を触る。


(どこ……?)





その時



ちゅっ

「ーーーっっ!!」


「取れたぞ」

政宗に、頬を舐められた?!
しかも唇のすぐそば。

「政宗っ!なんでこんなことするの!普通にとってよ……。」


「取れたんだからいいだろ。細けぇことは気にすんなって。」




……そう、これが最近の私の悩み。

政宗のスキンシップ?が激しすぎる。

普通なら、好きな人にこんなことされたら胸がときめかないわけがない。でも、政宗はちょっと違う。どこか、刹那的な生き方をしていて、今みたいな行動にも深い意味はなかったりする。

だからこそ…つらい。

私ばかりがドキドキしていて、この気持ちはきっと通じることはない。

長い間一緒にいる中でそのことがわかってきた。

だから、期待しないように、

これ以上


好きにならないように。


そうしたいのに、できない。


これが最近の私の悩み。

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