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氷華血鎖【鳴門】

第6章 零部・医者


それを半紙の上に伸ばして蝋燭の上に翳して燃えない程度に炒って水分を飛ばすと水分が無くなった粘り気のある薬剤は粉末状に変化する。



「へぇ…手馴れたもんだね!お前さん薬師かい?」

『薬師って言うか…医者ってゆーか…』

「そんなに若いのに!?」

『あは…はは…』



忍者アカデミーは行ってないから忍では無い。でも忍術は使える。侍ではないけど鉄の国に住んでる間は鍛錬してたから体術以外にも剣術も得意。そしてアタシはほんの少しだけあの人に医術を教えて貰ってる。まぁ…島を沈める直前までの話だけど。



「あの…じゃあ…厚かましい申し出だが願いを聞いて貰えないだろうか…」

「おーい、チヅー!やめとけよー」

『聞くだけなら…』

「チヅ…」

「よせ、十蔵。チヅルはそう言う奴だ」



仕方無いじゃない。困ってる人とか傷付いてる人とか見逃せないんだもん。犯罪者だけど…救える命は救いたい。





※※※





おばさんの願い。それは盗賊に被害にあった村人を診る事だった。この村に医者は居ないらしく病人や怪我人は街にまで降りて病院へ行ってたらしいのだが最近、盗賊が多くて病院にも行けない。薬も底をついて彼が薬を街まで買いに行っての今の現状。



-ポウ…-



「凄い…!傷が治って行く…!」

「これは医療忍術か」

『よし、もう大丈夫。後は皆さんこの薬を飲んで下さい』



傷が膿んでたりしてたから、そこから菌が入ってる可能性があるから抗菌、滅菌作用のある薬。



『暫く安静にしてれば直にいつも通り動ける様になります』

「有難う御座います…少ないですがコレを…」



と包みに入っていたのはお金。そこでピコンと閃く。



『これは頂けません』

「ですが…」

『どうしても御礼をして下さると言うなら…』





※※※





「此処に身を置く!?」

「もう決めたのか?」

『うん、二人にかけてもらう手間と弟妹の体力も考慮して』



皆にこれ以上、苦労はかけられないと困った様に微笑む。



『ちゃんと村人達とも話し合って了承は得たから大丈夫』

「寧ろ私達は歓迎さ!」



昔も今もこれからも…どの国でも医者は重宝される。チヅルは何処に行っても必要な存在。だがS級犯罪者である以上疎まれる存在。
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