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氷華血鎖【鳴門】

第5章 零部・暁


トシは普段の体力は有り余る程元気なんだけど寝込んでしまったらその元気は何処へやらってくらいに弱る。生死の境をさ迷う事も少なくは無い。



「すまない。野暮な事を聞いて」

『気にしないで。子供ってこーゆーものだから』

「そう…だな。煎じ終わった薬草はどうすればいい?」

『乾燥しないように蓋を…』

「うわぁぁあああ!!!」

『「!?」』



こんな山奥に突如として聞こえる悲鳴にイタチさんと顔を見合わせて臨戦態勢になる。悲鳴が聞こえて来た場所は恐らく此処からそんなに遠くは無い。





※※※





ガサガサと茂みから倒れる様に出て来たのはアタシより少し歳が上くらいの若い男だった。浅い切傷が身体中に付いていて大事そうに小さな巾着を握り締めていた。



『大丈夫ですか?』



落ち着きを取り戻して静かに寝てるマツを処置をする手を一度止めて倒れた人に駆け寄って、うつ伏せ状態から仰向けにする。



『…!これは!』



胸に深い刺傷。そしてその刺傷が腐蝕するみたいに爛れて現在もじわじわと腐蝕が進行している。これは…ただの毒じゃない。忍術が組み込まれた特殊な毒…だと推測して…急がないと死ぬ。



「ぐ…ぅ…」

「助かるのか?否…違うな。助けるのか?」

『当たり前でしょ』



取り敢えずチャクラ全開で一気に傷口を塞ぐ。を試みるけど胸の刺傷がなかなか塞がらない。



「人助けは暁の仕事では無い」

『アタシはただの協力者だから関係無い』

「………」



-ガサッ-



『「!」』

「居たぞ!こっちだ!」



ゾロゾロと数名現れたのは忍崩れの山賊らしき人達。



「医療忍術…何処かの忍か?」

「おい嬢ちゃん。そいつどうせ死ぬんだからほっとけよ」

『じゃあ何でこの人を追い掛けてるの?』

「いやねぇ?金目のモノはくれたんだけど、その巾着だけはくれなくてさぁ」

「その巾着にはもっといいモノが入ってんだろ?」



そう顎で言われて中身を確認すると入ってたのは薬。きっと誰かに届ける為の物だろう。襲われて大事な金目のモノは渡して薬を渡さないと考えるとそれだけ大事な物。



『これは貴方達が所持していいモノではない』




















→to be continued.

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