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氷華血鎖【鳴門】

第34章 一部・双子の病


『またこんなに沢山…根野菜多めだから今夜は煮物にするか』



そう言って居間に入って行くチヅルの後姿を恨めしそうに見るトシの頬をマツが抓り上げる。



「いてててて!」

「また姉様に心配かける気?」

「分ひゃっひぇるって」

「では折角ですし昨夜の話の続きでもしましょうか」

一同「!」



昨夜の話の続き…チヅルの幸せがどうとか言う話か。そんなのは本人が決める事だとは思うが…



「昨夜の話の続き?」

「トシは黙ってて」

「………」

「あ…でも私は姉様の手伝いをしなきゃ…これだけの人数の夕飯作るの大変だろうし…」



チラリ、と上目遣いのマツと目が合う。手伝いたいのではあろうが話には参加したいらしい。



「………手伝いは俺がしよう」

「え…イタチ、飯とか作れんのかぁ!?」

「………」



-スタスタ-



「マツさん…ナイスです」

「まぁね!」





※※※





「………はっ。揃って無様なもんだな」



大蛇丸も綱手との交渉に失敗した。だが腕を治せる手は一つだけ残されてる。そしてシズルは………血遁が使えなくなった。恐らく二週間程前のあの封印術は血遁を封じる為にチヅル様が何かしら手を打っていたのだろう。無論、他の術は使用出来るが血遁を失った事でシズルの戦力は多少下がる。



「あのクソアマ…絶対許さねぇ…」



握り締める拳から血が滴る。



「生きてんだろ?あのクソ餓鬼共」

「!」

「情報寄越せよ、大蛇丸」

「待てシズ「うるせぇ!!!」…シズル…」



シズルの考えてる事が分かってシズルを制そうとしたら逆に制されてしまう。激しい憎悪に満ちた顔。俺の言葉はもうシズルに届かない。



「あの女から全てを奪ってやる…」

「嫌いじゃないわ、その目。良いでしょう…双子の弟妹は湯隠れの忍者学校に通ってると言う噂よ」

「忍者学校…随分と余裕だな」

「シズル!」

「邪魔するなら…兄者だろうと容赦はしねぇ…」

「………」



どうする…このままじゃシズルが後戻り出来ない方向に進んでしまう。どうすればいい。どうしたらシズルを止められる…?




















→to be continued.
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