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キミのとなりで【気象系BL】

第3章 手紙


ーOsideー


「智はさ、手紙とかもらう?」
「え?何いきなり···手紙?」

突然のニノからの質問。
質問の意図が分からなくて首を捻る。

「特にもらわないけど···え?誰から?」
「誰からかは分からないけど。下駄箱に入ってたりとかさ、しない?」
「···しないよ。なんでそんなこと聞くの?」

やっぱり智にはこないのかーなんて、ニノは口を尖らせてるけど俺にはさっぱり意味が分からない。

目で説明を求めたら、ニノは肩をすくめた。

「あのね、最近よくもらうんだよ」
「手紙を?」
「そう。下駄箱に入ってるの」
「ラブレター?」

ニノは可愛いし、下駄箱に手紙なんてそれしかないだろうと思ったのに。

「違う。たぶん嫌がらせ」
「ええっ!?」

あっさり否定された上に、“嫌がらせ”なんて単語が出てきたから驚いた。

「嫌がらせって、どんな内容なの?」
「なんかポエムとか···気持ち悪いのとか」

ポエム???
それに気持ち悪いのってなんだ?

「なんかひどいこと書かれてるの?ニノを傷付けるようなこと?」
「そういうんじゃないけど···」

違うの?
それでも嫌がらせだと思うなんて一体どんな手紙なんだろう?

「全部差出人不明だしさ、とにかく気持ち悪いの!」

俺には内容がうまく想像出来ないが、ニノは眉を顰めて不快を露にしている。

「翔くんはその手紙のこと知ってるの?」
「知ってる。一緒に見てくれてるもん」
「翔くんは何て言ってるの?」
「こんなの気にしなくていいよって」

あの翔くんが見てそう言うってことは、きっとニノに害があることじゃないんだろう。

「翔くんがそう言うなら嫌がらせじゃないんじゃないの?」
「そうかなぁ」

ニノは納得出来ないようだ。
口を尖らせている。

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