• テキストサイズ

キミのとなりで【気象系BL】

第2章 友だち



昼休みになった。

「カズはお昼っていつもどうしてるの?」
「俺たちは購買でパン買って、天気が良ければ中庭で食べてる。翔ちゃんは?」
「俺たちは学食」

俺たちはいつも学食に行ってるけど、確かにこの2人を見たことないな。

「そっかぁ。じゃあパン買ったら学食行くね」

昼も一緒に食べるらしい。

まぁ、そりゃそうか。
こんだけ一緒にいて、昼が別のわけないか。

「俺も購買一緒に行くよ」

え···それは過保護すぎないか?
それとも少しの時間も離れたくないのか?

若干引きかけるが、翔は大真面目だ。

というか、心配そうな顔をしている。

何かあるのか?

「智が一緒だから大丈夫!」

ニノが智と腕を組んでにっこり笑った。

翔は一瞬複雑そうな顔をしたが

「1人にならないようにね」

ポンポンとニノの頭をなでた。

ニノの頬がポッと赤くなる。

何この甘いやり取り。

「席取って待ってるから」
「あ、もう1人一緒でいい?」
「もちろん。じゃあ、また後で」

2人と別れて、翔と学食へ向かった。



「なぁ、何があったの?」

今がチャンスというか、今しかないだろうと思って聞く。

「昨日まで話し掛けることも出来ないって言ってたのに、何で急にラブラブになってんの?」

翔の顔が赤くなる。

「告白でもしたの?」
「そんなの出来るわけないだろっ」

俺も出来るわけないと思ったけどさ、あまりに急接近してたから一応確認しただけ。

「全然ラブラブとかじゃないよ···ただ仲良くはなれたと思う」

あれでラブラブじゃないと思ってんのか。
頭ポンポンとかしてんのに。

「昨日なんかあったの?」

サッと翔の顔が強ばる。

「あった···誰にも言わないってカズと約束したからちょっと詳細は言えないんだけど」

かなり言いにくそうにしている。

その目に静かな怒りが浮かんでいることに気付く。

その表情とさっきの過剰に心配していた態度を思い出して、察するものがあった。

まさか···と、思うけれど。

「カズが困ってるところに偶然居合わせたんだよ···間に合って、助けられた」

間に合ったと聞いて、とりあえずホッとした。

たぶん俺の想像は間違ってないのだろう。

翔も俺が察したことに気付いてる。

「カズには内緒な。何も知らないフリしてくれ」

黙って頷いた。

/ 803ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp