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先生とわたしの恋物語

第7章 旅行


「まーー、そうですね!」

お土産はここでしか買えないのだ。だからお土産なわけで。うーん。予算オーバーだが致し方ない。ここは潔くカモられよう。


わたしはお会計のほうへ向かった。「お会計、8040円です」とお姉さんが言う。まあ妥当な金額だ。


「ハイ」財布を取り出して万札を出そうとすれば、「あーコレで」と横から手が出た。田中先生だ。

「ひゃっ、は、はい!お預かりします!」

大慌てで、お会計のお姉さんがレジにお金を入れる。何度も確認してから震えるお金を先生に慎重に返した。


「ああありがとうございました……」

「ああ、ありがと」微笑んだ田中先生の表情を見た途端だ。お姉さんの瞳が、たちまち潤んだ。


「こち、こちら商品でございます」

田中先生に水族館とジンベイザメが描かれた紙袋を震えながら渡した。かと思えば、急いで引き出しに手を突っ込んだ。


「ここれこれ!ご購入いただいたお客様にプレゼントしています。よよかったらお連れ様のぶんも!」

わたしと、先生がもらったのは小さな缶バッチとジンベイザメの刺繍が入ったタオルハンカチ。シールももらって、飴玉とビスケットが入ったオヤツ袋も追加でくれた。いやいやいや。サービスとは言い難い。もうプレゼントだ。



「あー悪いね。ありがとうね、お姉さんも、大変だろうけど、お仕事頑張ってな」



「はぁ……♡はぃ♡」


お会計をしたお姉さんは、わたし達が見えなくなるまで目を潤ませていた。角を曲がった瞬間だ。"キャァァァア、見た見た!?"と悲鳴のような感嘆の声が上がったのは。




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