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先生とわたしの恋物語

第7章 旅行


「次のかた、どうぞ」

そうこうしてるうちに順番が回ってきた。なんとラッキーなことに一番前だ。

カバンを棚に置いてジェットコースターに乗った。田中先生は眉間に深いシワを寄せてとなりに立つ。

「うわ…なんだここ…こぇー…」

とうとう本音を漏らしたな先生め。
いや後ろからキャアキャアすでに悲鳴が聞こえる。恐怖と先生の美貌に叫んでいるのだ。

「安全レバーを装着後、足が浮きますのでご注意下さい」

無慈悲なアナウンスが流れる。そう。これは立ったまま後ろに走行するのだ。超恐い。たまらない!ワクワクしてきた。

「なあ、めっちゃ楽しそうだな」
「はい♡もう好きなんです♡」

私が笑えば、余計に先生の顔がゆがんだ。でも嫌がる顔になっても田中先生は素敵だ。カッコいい。

各々が安全ベルトを装着すれば、お姉さんが確認しに来る。

「では、下ろしますねーー」

肩に赤い大きなレバーが下りる。私は両手でしっかりと掴んだ。

「では、カウントします」
アナウンスが木霊する。

「先生?」
「あ、なんだ」

「わたし、先生のことずっと好きです。たぶん卒業しても気持ちは変わりませんよ」とわたしは笑顔だった。

先生の顔に悲しそうな顔は似合わないですよ。

「だから、なにされても負けませんし。安心してください」

大丈夫。

田中先生は
わたしの顔を見て固まった。

「市川……」


「では、素敵な旅を!行ってらっしゃーーーい!!」


と言う合図で床がなくなる。ジェットコースターの機械が動き出す。

カウントダウンは
終わっていた。

「スタート!!!」

お姉さんの掛け声と同時に、一気に後ろに猛スピードで走り出す。足は宙ぶらりんだ。

「キャァアァァァー!!!」

重圧が凄い。猛突進でジェットコースターが回る。斜めに走ったり上下になったり忙しい。フワッと浮いたと思えば真っ逆さまに落下する。

ヤバイ。超楽しい。キャアキャア悲鳴を上げて叫んだ。なんて爽快なんだろうか。一番天辺から落下するとき、大きな海原が見えた。太陽の光が反射してキラキラ輝いていた。

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