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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第116章 安室2※




「組織のことはどこで?」
「・・・それは言えません」

ここに来て、まだ口を噤むか。
本当に頑固というのか、意地が強いというのか。

これはある種、賞賛すべきことだなと目を伏せかけた瞬間。

「透さんにも・・・秘密はありますよね」

彼女からのその言葉に、ドクンッと心臓が大きく跳ねた。

まるで僕が隠していることを、全て知っているような。

追い詰めていたはずなのに、追い詰められている気分になった。

「・・・そう、ですね」

誤魔化すように、笑ってみたけれど。
はやり上手く笑えている自信が無い。

「とりあえず、友人の家から自宅に戻ったら連絡・・・いや、戻る前に連絡ください」
「あ・・・でも、スマホが・・・」

誤魔化すように言葉を続け、彼女にそう指示を出せば、連絡できかねることをチラつかされた。

これが嘘かどうかは、もうどうでも良い。

彼女との連絡手段の言い訳を潰す為に、持っていた予備のスマホを取り出すと、素早く初期化した。

今から何か細工をする事は難しい。
それに、何か仕掛けてもすぐに解かれてしまう。

そう何度も嘲笑われてはこちらも癪だと、僕の連絡先だけを入れた状態で、スマホを手渡した。

「僕の予備のスマホです。それで連絡をください」
「で、でも・・・!」

これで連絡に対する言い訳はできないだろう。
・・・彼女がわざと、このスマホを捨てたり壊したりしない限りは。

「これ以上、心配はかけないでください」

・・・この言葉は、僕自身の本音だった。

彼女には穏便に生きてほしいだけだ。
これ以上、危険なことをしてほしくないだけだ。

その為に守っているはずなのに、逆に危険なことをさせている。

本末転倒にも程がある。




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