第1章 導入
「ごめん、暫く枠無理かも」
その連絡の後、ぷっつりと消息の
途絶えた小判虫。Twitterの浮上は
無し、LINEに既読もつかない。
現実で面識のあるらしい
フォロワーに話を聞いても、
「最近見ないなぁ」と返ってくる。
そんな中で兄、晴季と妹、凉は
最後のDM「やるなら二人で頼むわ」
という言葉の元一人足りない
グループキャスを開こうとした。
ライブ開始のボタンを押した
瞬間、日常の風景が
非日常へと変わる。
ぐにゃりと周囲の風景が歪む。
妹を気にかけて視線を向けた先では
自分のスマホが
異様な光を帯びていた。
それに目を奪われているうちに
歪みはおさまり、
気がつけば探索者は
薄暗いホールの中心に立っていた。
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