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【R18ヒプマイ】だからと言ってこれはない

第1章 締め切り前の原稿に墨汁こぼせ!






「!? てめっ!女ァ!
兄ちゃんのこと誑かしたら
マジ容赦しないからな!」

向かい合って笑い合う私達に割り込む形で
二郎が私を睨み付ける。
人がせっかく持ち上げたところにお前は…!

「誰がこんな餓鬼誑かすか!!
未成年に手出すほど飢えてないわよ!
それと私には葉室有栖っていう
お父さんとお母さんが付けてくれた
素晴らしい名前があるの!」


「…葉室……?」


私は目の前の二郎を突き返すように
ソファーから立ち上がる。

そして自分の名前を名乗った時
傍で聞いていた三郎が明らかに私の
苗字に反応した。

「有栖さん、もしかしてあなたって
葉室グループのご令嬢ですか?」

「え?うん、そうだけど」
即答すると三郎が「え?普通に認めちゃうんですか?」って顔をする。
別に隠すことでもないし。
認めちゃっていいだろう。

「は?令嬢?この女が?」

「二郎、仮にも客にその態度はなんだ」

「ご、ごめん…」

ここまで来ると二郎は私が気に入らないって
ことが分かるね。
思ったことをそのまんま
言っちゃうんだけかもしれないけど。
というかお前はいつまでその粉まみれな
格好でいるんじゃ。
とっとと風呂に入れ。

ふと二郎から視線をずらせば私の反応に
三郎が何か納得したというような顔を見せている。
まあ自分で言うのもなんだけど割と有名な
血筋だし、葉室の名前くらい
中坊でも知ってて当たり前だ。

だからこういうのには慣れている。
どうせ次に出てくる言葉は…
私の親と私の家への媚び売りに決まって……。

「良かったら僕と勝負しません?」

おっと?これは予想外だ。
え?なに?勝負?

「って…なんの?」



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