• テキストサイズ

ミケ生誕記念作品集

第3章 【R18/現パロ】お願い、捨てないで




非常事態だ。
このままでは終わってしまうかもしれない。

帰路に着くミケはかなり焦っていた。その原因は、幼馴染みであり彼女であるさゆり。

今日、明日が誕生日のミケの為にセッティングしたからと言われ、会社の者と飲んだ際に言われた事。

“お前の彼女はお前に冷めてる”
“浮気されてるんじゃないか”
“付き合ってから一度も愛情表現が無いなんてやばい”
“氷河期超えて末期”
“絶対他にセフレがいる”


ハロウィン仕様になった居酒屋。
ワイワイと賑やかになるはずの誕生日会兼飲み会で散々言われ、不安に駆られたミケは飲み会が終わると直ぐにさゆりの待つ家に急いだ。


確かにお互いに30代。ミケは結婚も考えていた。
だがさゆりからは今まで結婚を急かされたことも、そんな素振りも全くない。

今回も、もっと若い頃もだが、飲み会にも嫌な顔せずサラッと見送るさゆり。
ヤキモチを妬かせたくて接待で行ったキャバクラの嬢の名刺をわざとらしくワイシャツのポケットにそのまま入れていたが、次の日には財布の中に入れられていた。


彼女の性格はよく知っている。

大人しくて争いを好まないし、愛情表現はかなり控えめ。幼馴染みから恋人になったが、ずっと一緒にいる家族のような雰囲気だ。だが、ミケのことは好きだとミケは認識していた。笑いのツボは似ているし、好きなものも同じ。隠し事は苦手なこと。



そんな彼女が……他の男と……。

飲み会に嫌な顔せず見送るのは、他の男がいるからか?

ミケの考察は止まらず、次第にイラつき始めた。
他人の前ではこんな自分は現れない。彼女に対してだけ、自分ばかりがいつもこうやってヤキモキしてイライラする。


ミケはずっと我慢していた。

今日こそ、真意を、気持ちを聞き出す。

ミケは早足では焦れったくなり、走り出した。



/ 31ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp