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最愛 【黒子のバスケ】

第4章 揺れる心


side緑間

帰国中の青峰から聞きたいことがあるとメッセージが届いた

一体何の用なのだよ…

まさかこの後に及んで英語を教えろなどと言ってくるはずはないが青峰から呼び出されたときはロクなことがない

それにこの日は玲子も非番だから久しぶりに二人でゆっくり本でも読みながら過ごそうと決めていたのに


「玲子、すまないが今度の休日少し出かけることになってしまったのだよ」

「え、そうなの?久しぶりにずっと一緒かと思ってたのに」

残念がる玲子をみて申し訳ない気持ちになる

「青峰がそろそろアメリカに戻るはずなんだが、会って話したいことがあるみたいなのだよ」

「それなら行ってこなきゃね」

「埋め合わせはするのだよ。午前中には済ませて戻る」

「じゃあお家で待ってます」

本当にいい妻を持った…

医大で知り合ってから8年。
最初見た時から綺麗な人だと思っていた

想いを伝えるまでに時間はかかったが玲子とこの先の人生を送れると思うと柄にもなく顔が緩んだ


今日のラッキーアイテムを眺めて運気の補正がしっかりされていないことを咎めたくなるが仕方ない

今日のかに座は12位だと独りごちた


今日は夜勤だから日中は玲子と過ごせる

「みさきちゃん元気そうで安心した」

「そうだな」

「みさきちゃんには絶対幸せになって欲しいって思うの」

友人たちの送ってくれた結婚式の写真を見ていると桃井と笑うみさきが写っている。

かつてのみさきの酷い状態を思い出すと条件反射のように眉間に皺が寄る

肉体的にも精神的にも苦しい時期があったみさきは恋愛を遠ざけているようだった
火神も俺も玲子もみさきに女として幸せになって欲しいという思いは変わらない

自立して手に職をつけて一人でも生きていけるかもしれない

別に結婚や恋愛が全てだとは思わないが人生は誰かと分かち合うことでより楽しく彩り豊かになると思う

幸せになることを放棄しないでほしい
みさきは何も悪くないのだから…


「そうだな。あいつには幸せになる権利があるのだよ……勿論玲子にも」

キスをするとにっこり笑ってこっちを見つめ返してくれた

「真太郎だって同じだよ」

そしてキスを返してくれる。

やはり、分かち合える人がいる人生はいい

月並みではあるが“苦しさは半分に喜びは倍に”そういう人生を送れる相手を見つけてほしい
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