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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


「そんなこと言って。青峰君に彼女がいたらどっちにしても会えないでしょ?」


「そうだな…彼女がいればバスケ以外の俺の時間は全部そいつとネロに使うな」

自分で言ったくせにズキリと胸が痛む。
慣れなきゃ…こうして電話してるのだって今彼女がいないからできてることなんだから。
彼女が出来たらちゃんと諦めるって決めて好きになったんだから

ズキリと痛む胸に手を当てて「でしょ?」って明るく言う。

「でもお前だって彼氏ができれば俺と会ってる場合じゃねぇだろ?」

多分あたしは青峰君しか好きになれない気がする。何となくだけどそんな気がしてる。直感っていうやつかな…仕事では結構役に立つあたしの直観は恋愛にも使えるのかな?
かといって青峰君に彼女ができたからって誰でもいいから付き合いたいとは思えない
見事なほどにこじらせたあたしの出来上がり

「あはは!あたしに彼氏ができるなんてないから。心配ご無用です」

「そんなこと分かんねぇじゃん?好きなやついるんだろ?」
いますとも。青峰君っていうNBAでバスケしてて今あたしと電話してる人が好きなの。
そんなこと絶対言えないけど
「いるけど…初恋は実らないって言うでしょ??」

「それもそうだな。もし振られたら骨拾ってやる」って笑ってる

本人に骨拾ってもらう人なんていないでしょ。って思ってあたしまで笑っちゃう。

「あはは!真太郎にたのんである」って言ったら「なんで緑間なんだよ」って言ってまた笑ってる。
「真太郎はお兄ちゃんみたいなもんだから」

あたしが初めて口を滑らせたときは怪訝な顔をしてたけど今はなんとも思ってないらしくてあたしか“真太郎”って呼んでも普通にしててくれる。
口の堅い真太郎が何か話したってことは絶対ないから多分青峰君的にはそんなに気にしてないんだと思ってあたしも真太郎の事を普通にはなせる。

「やべっ!そろそろ出ねえと練習遅れちまうから切るな」

「あ、ごめん。行ってらっしゃい。怪我しないでね」

「あぁ。行ってくる」

最後のこのやり取りがたまらなく好きでいつまで出来るのかなって少し寂しくなったけど考えたってしょうがない。
青峰君との思い出は貯めれるだけ貯めて電話をする資格がなくなったらこの気持ちを昇華させるまで何度も思い出す。そして青峰君が私に恋を教えてくれた事を絶対忘れたりしない為に今を思いっきり楽しむの
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