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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


「あ、なんか青峰君から届いたの」

「大ちゃん?」

「開けてみたら?」

「うん」

外のビニールを外すとバーニーズの黒い大きな袋。

「バーニーズじゃん。すご…」

もう一枚バーニーズの袋が重ねられていて中には不織布に包まれた何かが入ってる。

取り出すと薄いグレーのコートですっごく軽かった。

「大ちゃんみさきのこと分かってるじゃん」

すっごい好み。コートの大きなボタンがあたしが着ると幼稚園の服みたいで苦手だしコートの後ろにある大きなフードも好きじゃなくていつもコート選びに手間取って下手すると買わないシーズンもある。

ボタンが隠れてスタンドカラーにもなる襟にはふわふわの取り外しのできるフォックス。軽くて暖そうでこれがあれば今年の冬はぜったい乗り切れる。むしろ来年も再来年もこれがいい

「ちょっと着て見せて」

美緒に言われて袖を通すとサイズもぴったりだった。

「かわいい。似合ってるよ」

「すっごい可愛い」

「えへへ。あったかーい」

2人にそう言われて嬉しいのと、コートが暖かくて思わず笑顔になった。


メッセージカードにはあの時と同じで何も書かれていないけどお店側で印字してくれたと思われるhappybirthday to youの文字とAomineの文字

これ寝室に飾ろ

あっちはまだ夜中だから電話はやめてメッセージでとりあえずお礼を伝えて午前中に電話しよ。

(コート本当にありがとう。寒いの苦手だからすっごく嬉しい)

明日からの仕事に着ていこう。

青峰君から色々もらいすぎててクリスマスには必ずお返しをしなきゃって思って送られてきたときについていた伝票をなくさないようにしまった。

もう何をお返ししたらいいのか分からないほど色々もらってる

「美緒とさつきは黄瀬君と黒子君にクリスマス何あげるの?」

「あたしはお財布にするよー。ずっとお財布同じの使ってるからそろそろ変え時かなって思って」ってさつきはもう決めてる様子だったけど珍しく美緒が「あたしまだ決めてない」って言ってる。

「じゃあさ、みんなで12月に入ったら見に行かない?」

「「そうしよ」」

好きな人へのプレゼントを選ぶのはこれが2回目。なんか楽しい。青峰君を好きになって今まで経験したことのない楽しみが増えた気がする。

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