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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


side黄瀬

少し経って美緒から返信がきた

(打ち合わせは順調だったんだけど、その後さつきとチーフと話してる間に突然帰っちゃったんだよね。お気に入りって言ってたボールペンまで置いて行ったみたいだから相当急いでたんだろうけど会社では何もなかったよ)

会社でもないか…

(そっか。なんかみさきっち空港にいるときからちょっと様子が変なんだよね)

(どういうこと?)

(すっげぇ怖がってる感じって言うか、上手く言えないけど落ち着きがない感じ)

(ちょっとさつきにも聞いとく)

美緒とのメッセージを終わらせるとトイレに行くみさきっちが見えたけど相変わらず顔色はよくない。

もしかして女の子特有のアレかなとか一瞬考えたけどそれだけで警戒なんてしないッスよね…

結局着陸のためのシートベルト着用ランプがついてCAに呼ばれてトイレから出てきてたみさきっちは真っ青な顔と真っ赤な目をしてて泣いてたんじゃないかって思った。


ホテルについてからも食事を断って休みたいと言うみさきっちが心配だった。

食事を済ませて部屋に戻ると美緒から着信が入ってたから折り返す。

「もしもし、俺」

「北海道無事着いてよかった。みさきは?」

「部屋で休んでる」

「さつきにも聞いたけど会社で何か揉めたりってことはなかったみたい」

「そっか」

「またなんかあったら連絡ちょうだい。あたしもみさきが心配だから」

「ん。分かった」

おやすみって電話を切ってみさきっちにメッセージを入れる

(大丈夫ッスか?)

しばらく既読にもならなくてもう寝たのかと思ってたら2時間以上経ってみさきっちらしくもない顔文字が入ったメッセージが届いた。


やっぱりちょっとだけ顔出そう。

コンビニでおかゆと温かいほうじ茶を買ってみさきっちの部屋に行くと機内よりは顔色が戻ったみさきっちがドアを開けてくれた。

少しだけいつものみさきっちに戻っていてホッとしたけど開いたドアから見えたテーブルにまた黒く塗り潰された丸が書かれた紙が置いてあった。

差し入れを渡すと申し訳なさそうに「いただいてもいいですか?」なんて聞いてくるからできるだけ明るく答えた。

俺は何かあったら必ず美緒に話すし、声を聞いただけでも元気が出るから遠回しに青峰っちに連絡するように言って自分の部屋に戻った。
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