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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


ホテルに着いてみんなで夕食をって言われたけど体調が優れないから休ませて欲しいとお願いした。

やっと1人になれた...

とにかく横になろう。目は閉じれなくても体を休めよう。
明日になればまたいつも通りに戻れる。

横になっても佐伯さんのあのため息と目付きが思い出されて吐き気と恐怖が治まらなくてホテルのペンと紙を使ってまた丸を黒く塗りつぶす。
機内と違って誰にも邪魔されなかったのが良かったのか気分が少しずつ落ち着いてきた。


お風呂入ろ...

この不快感も一緒に流れて欲しい。

ユニットバスにお湯を張るために出したお湯が蛇口から流れるのをぼーっと見つめてた。


お気に入りのシャンプーとトリートメントを使って、少しでも気分が良くなるようにお風呂で使えるボディクリームを使ってマッサージしながら体を暖めた。
最近頻繁に痛む太ももの傷を避けて脚のツボを強めに推して、できるだけケアに集中したけど、見えると嫌でも思い出してしまう。

いつもはこの傷を見て乗り越えてきた自分を褒めてあげられるけど、今日はこの傷があたしに起きたことを強く意識させてるように感じる。

どれくらいお風呂にいたか分からないけどお風呂から出るとプライベートのスマホに黄瀬くんからメッセージがはいってた

(大丈夫ッスか?)

黄瀬くんがあたしに直接連絡してくることはほとんどなくて、仕事の依頼はマネージャーさんから仕事用のスマホにくるし、プライベートの用事もほぼ美緒を通して話してる。

食事を断ったから心配してくれたのかと思って返信をした。

(大丈夫です。ご心配お掛けしました(^^)これからご飯食べます。)

ご飯を食べる気分じゃないけど、食べなきゃいけないことは分かってたから直ぐにじゃなくても食べるつもりだった

青峰君に、体が資本だろって言われてから食べれる時間がある時はきちんと食事をしてきた。
それに、ここで食事を摂らなかったらまたあいつに負けることになる。

それでも、あたしにとっては極寒で人の多い外に出るのは嫌でルームサービスにしようとメニューを見てるとチャイムが鳴った。

ドアスコープを覗くと黄瀬くんが立っている




「どしたの?明日の打ち合わせで何か不足あった?」

「いや、空港にいた時からすっごい顔色悪かったから…ご飯まだならこれどーぞ」ってお粥と暖かい飲み物を買ってきてくれた。

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