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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


やっぱり動物相手だと撮影も思い通りには進まなくて時間が押してそろそろ8時になりそう。

電話無理かも…とりあえず連絡しなきゃ。

ちょっと外しますって伝えてプライベートのスマホを持ってスタジオを出てメッセージを送る。

(撮影押しちゃってちょっと電話できないかも。できたら電話するね)

送ってすぐにスタジオに戻ろうとしたら、返信がきて電話するために用意してくれてたんだと思って申し訳なくなった

(わかった。無理しなくていい)

(応援してるね。怪我しないで)
電話できなくても応援してるってことだけは伝えたくてメッセージを送ってスタジオに戻った。

スタジオは丁度休憩時間で黄瀬君がモデル犬たちと遊んでるからあたしも一緒に遊ばせてもらうことにした。

「写真撮っていいっスか?」

「どうぞー!」

「みさきっちもその子と撮れば?」

黄瀬くんが写真を撮りながらさっきのシェパードを呼んでくれた。

「じゃあそうしよっかな」

あたしが近くに行くと座ってこっちを見上げてきてホント可愛い。

「可愛い~」

頭を撫でてると笑ってるみたいな顔してる。
ネロ君も青峰君に撫でられるとこうなるのかな?


「撮るっスよ」

黄瀬くんに言われてわんちゃんに抱き着くと黄瀬君が撮ってくれた。

「それいいじゃん。俺も撮らせてよ」

よく撮影が一緒になるカメラマンもわんちゃんが大好きだって言って、休憩中なのにみんなで写真撮ってる。

「黒須ちゃんちょっとその子の首のとこに抱き着いてみてよ」

指指す先には大きなド ーベルマン。

「撮ってくれるんですか??」

「もちろん」

ドーベルマンに抱き着くとシャッター音が聞こえた。

見せてもらうとさすがプロって感じに撮れててちょっと欲しくなった。

「欲しい?」

「うん。欲しい」

「データ渡すよ」

やった!
猫派だけど犬も大好きだから嬉しい。

犬嫌いの大我に送ろっかなー。
小さいとき犬にお尻を噛まれてから犬が苦手で、誠凛で犬を飼ってから少し犬が触れるようになった大我を思い出して笑いがこみ上げた。
ネロ君とは何度も会ってて平気になったらしいけど、ドーベルマンみたいなのは怖がる。


短い休憩を切り上げて撮影を再開して、撮り終わった頃には10時を回ってしまっていた。

今日は電話はなしか…
今から帰れば少し試合は見れるかな…
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