• テキストサイズ

最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


side青峰

朝早めに起きて走ってストレッチをして体をほぐす。

試合前のアップもあるけどそれだけじゃ全然足んねぇし慢心は怪我の元だ。
サマーリーグの時から変わらずに試合前のルーティーンとして体に染みついてる。

忘れ物がないか確認しているとスマホが鳴って、みさきが寝てる画像が見えて口元が緩んた。
電話考えたやつは天才だ。

「お疲れ。電話させて悪りぃな」って言うと「そんなことないよ」って可愛い声が聞こえた。

昨日話した時ののろのろした話し方も可愛かったけど、やっぱ元気があるときのみさきの声の方が好きだ。

それでも睡眠不足なことには変わりねぇハズで「大丈夫か?」って聞くと今日はもう家にいるらしくて安心した。

働きすぎて倒れたら心配でバスケも手に付かなそうだ。

今日俺が試合だって知っててくれたことがすげぇ嬉しい。
まぁこっちからスケジュール送ってるし知ってて当たり前かも知んねぇけど何試合もあるから全部覚えられてるはずなんてねぇから知っててくれたことが嬉しかった。

もう少しで家を出るっつったら、今回の電話で一番聞きたかったみさきからの“頑張れ”って言葉が聞けた。

有料チャンネルを契約したのは多分火神がいるからだろうな。
…チッ。ムカつく。
でも今日は俺を応援してくれるんだと思えば全然いいケド。

「お前に応援してもらったらすげぇ頑張れる」って本心を言ったらみさきが黙るからすっげぇハズイ。
何か言えっつーの

そんな事言ってくれると思わなくてびっくりしたとか言ってるみさきは鈍感すぎる。
好きでもねぇ女と試合前に電話なんかするかよ。
みさきは繊細なオトコゴゴロなんてちっとも分かっちゃいねぇ。


俺が名前を呼ぶと突然敬語になるみさきに「行ってくる」っつったら「行ってらっしゃい。頑張ってね。応援してます」って言われてすげぇ気分が上がった

もうマジで結婚してぇな
“行ってらっしゃい”はズルいだろ。可愛すぎる

あのウルウルの目で見つめられてそれ言われたら勝てない試合はなさそうだ。

みさきのウルウルの目はホントにズルい。“お願い”とか言われたらなんでも聞いちまいそうになる。


とりあえず今日は勝つしかねぇな。
勝ったら自分へのご褒美にあいつに電話することにする。

/ 1719ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp