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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


side青峰

シャワーを済ませてそろそろ寝ようかというときにメッセージがきた。

みさきかもと期待したのに違っててがっかりだ。

なんだ、黄瀬かよ…

(みさきっちお疲れ模様ッス)

黄瀬とよく仕事するとは聞いてたけど、俺が会いたくても会えないみさきといとも簡単に会える黄瀬は正直羨ましい。でも俺にあいつのやってるような仕事は無理だ。

前に見たけど、モデルだか女優だかと一緒に写ってる雑誌で女に触ってたからよくだと思った。

この間と同じように、触るなっつったら触られる側とかムカつく返しをしてくるから無理と分かってて、触られるのもやめろって返した。

みさきを好きだと思ってから気づいたけど、多分俺は独占欲みたいなものがすげぇ強い。
仕事だと分かってるけど、みさきが男に触るのはなんかいい気しねぇ。
みさきが相手を被写体としか思ってないことが救いだけど。

進藤は黄瀬のあぁいうの見てもなんとも思わねぇのか?
いや、そんな訳ねぇよな……


みさきに、無理すんなって言っとけっつったら、自分で言った方がいいとか言われたけどどんなスケジュールかも知らねぇし疲れて寝てんのに用もなく連絡して起こしちまったら可哀想だろ。


撮影に入ったのか返信はなくて、みさきに連絡する勇気もなくてそのままベッドに入った。

俺が抱きしめると腕は回してくれねぇけど両手を胸に当てたり、頭を預けたりしてくれるみさきは小さいけど温かくてたまらなく愛しかった。
NYでみさきを抱きしめたときの感覚を思い出しながら眠りに落ちた。



……
翌朝、日課のロードワークに出てからチームと合流して練習に入った。

『調子どうだ?』

『やっぱり判断するタイミングが遅いって自分でも思います』

『無理に頭を使わずにチームメイトの動きを体で覚えろ。場数踏んで練習重ねてけば噛み合ってくる』

『はい』

パスのアドバイスはできねぇから俺の経験から言えることだけを伝えた。


若い選手の成長は個人のやる気もそうだけど、チームの良し悪しも大きく関わってくる。若手が育って選手層がより厚くなればその分勝ちに近くなる。


馴れ合いとかじゃなくてチームとして機能させるために、お互いライバルだけどチームメイトってのは補い合っていくべきだと思ってる。
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