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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


sideさつき

最初からみさきがバニーを断ってくるのは想定済みだったから決められないならあたしが用意しようと思ってた。

昔のことを話してくれた後、ぽつりと“制服って着てみたかったな”って言ってたから高校は違うけどあたしの制服を着てもらおうって美緒と相談して決めた。

あたしはお裁縫も苦手だからお母さんに頼んで大体のみさきのサイズに直してもらった。

みさきは太ももに傷があってそれが嫌でスカートとかショートパンツは履けないってちょっと悲しそうに言ってたから傷が隠れるように美緒と一緒にニーハイを選んだ。
それにみさきは脚がながくて真っすぐだからハイソックスより絶対ニーハイが似合う。

「さつきんとこって男子ネクタイだったじゃん?彼氏のネクタイするの流行らなかった?」

「あー!流行ってた。あたしはテツ君のネクタイが欲しかったのにテツ君とこ学ランだったの…」

「今は黒子君と付き合ってるんだからいいでしょ。青峰さんのネクタイないの?」

「おばちゃんに聞いてみる。大ちゃんよく盗まれてたからあるかな?」

電話より早いから直接行って聞いたら大ちゃんのクローゼットにあるって言ってたからさっそく借りてく。

「使ったら返すね!」

「返さなくていいわよ。もう使ってないし高校のときしょっちゅうなくすからまだ綺麗でしょ」って笑って貸してくれた


家に戻って制服を並べて美緒と一緒にどんな髪形がいいか相談して、あーでもないこーでもないと二人で言い合った。


「王道だけどさ、緩く巻いて二つに結べば可愛くない?」

「やっぱそれがいいよね。みさきは前髪がセンター分けだからおでこ出したら絶対可愛い。顔小さいし」


「でもさ、みさきが仮装決めてたらどうする?」

「多分忘れてるよ。でも一応聞いとこっか」

案の定忘れてたみさきに大丈夫って伝えて二人でニンマリする。

「大ちゃんに写真送ってあげよ」

「あ、それなんだけどさ、今涼太と黒子君アメリカ行ってるじゃん?なんか青峰さんと火神さんも合流するらしいの。スカイプすればいいんじゃない?」

「美緒、天才」

「みさきんち多分パソコンあるから大丈夫だと思うけど一応確認してダメならあたしの持ってく」



あたしたちの目論見なんて全く知らないみさきはすんなりスカイプを使うのをOKしてくれた。

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