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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


side緑間

ずっとお世話になったから報告しておきたかったと顔を赤くしながら話すみさきは本当に律儀だ。

みさきはどんな些細なことでもきちんと感謝を示してくる。不義理など一度もしたことがないのに、以前は口癖の様に“あたしのせいでごめんなさい”と謝っていたことを思い出す。

「ごめんなさいよりありがとうの方が嬉しいのだよ」と何度も言っているうちにごめんなさいが減ってありがとうが増えた。
そして、本当に自分が悪いと思った時以外は謝らなくていいとずっと言ってきた。


少し突っ込んで、青峰のどこが好きなのかと聞くとよく分からないと言いながらも「ずっと頭から離れない」と言っていて、俺が玲子を好きになった時のことを思い出した。

俺は玲子を一目見たときから好きだった。毎日頭から離れなくて卒業してしまう前に何とか思いを伝えたかった。

みさきに応援していることを伝えると「失恋したら骨拾ってください」なんて言ってくるからNYで一緒に過ごして青峰がみさきから信用を得たんだと分かって玲子と目を合わせて笑う。

あの青峰がな…褒めてやるのだよ。

帰国前に話した時、俺が牽制したからと言って素直に言うことを聞くような奴ではないことは分かっていたが、みさきを傷つけるようならどんな手を使ってでも距離を取らせるつもりだった

恐らく青峰は女性の扱いには慣れていて、欲を自制するような理性は持ち合わせていないと思っていたが勘違いだったようだな

以前“ヤりてぇの我慢したことなんてねぇな”なんて下品なこと言っていたくせにみさきのこととなれば我慢できるのかと思うと笑いがこみ上げた。

まさか、互いに好きとはな…

俺が欲しかった根拠など必要ない。この二人の思いが同じならばいずれそれは示される。

みさきを見送って玲子と家に入ると嬉しそうに笑う玲子が綺麗で俺の自制が効かない。

リビングに入るまで待てない。

細い手首をつかむと振り返った玲子にキスをして壁に追い込む。

「んっ…しんたろ…」

玲子の甘い声が耳に響いて我慢できない。

人よりも長い腕で玲子を抱きしめながら寝室に誘導してベッドに倒れ込む。
「ね、お風呂…」

「待てない」

心底愛してる玲子を抱ける喜びに浸りながら何度もキスを繰り返す

「愛してる」

今日は寝る時間などやれないかもしれないがいいだろう?
だって明日は休みなのだから。
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