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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


side青峰

トレーニングキャンプが始まって毎日すげぇハードだけど思い通りにいかないからこそ楽しさを感じる。

『ダイキ、あそこは自分でいけただろ』

『いや、ヘルプが思ったよりも早く動いてたからパス一択だな』


俺のバスケは人を頼るようにはできてねぇ。なんて思ってた時もあった。
1人で勝てちまう俺にパスの選択肢はなくなってた
だから中学で試合がつまらなくなってから火神達に負けるまでパスはしてこなかった。

火神達に負けてバスケはチームプレイなんだと気づかされて少しづつだけどパスを出すようになった。
負けた事がねぇってのは、ただの弱点でしかねぇ事にその時やっと気づいた。

高2でアメリカのストリートチームとやった時、自分のパスの未熟さに気づかされて、それからは地味なパス練も欠かすことなくやってきたことがここでも活きてる。

バスケってのは普通のドリブル、パス、シュートがほとんどでよくテレビで見るようなスーパープレイなんてそうそうでるもんじゃねぇから地味な練習が多い。
でもそこで手を抜かないから試合も楽しめるしスーパープレイも出る。


午前中の練習を終えてスマホを見るとみさきから連絡が入ってる。

みさきから送ってくるなんて珍しいな…

(本当に色々ありがとう。今日帰国するね)

あいつらしく絵文字なし
つーかもう帰るのか。

なんか遠くなるな…

火神の膝で寝てるのはムカつくけど、あのピアスをして寝てるみさきの画像がメッセージの背景になってる

『おい、ダイキ顔緩みすぎだぜ』

『あぁ⁉うっせーよ。緩んでねぇ』

『お前にもついに本命か?』

『教えねーよ』

自分にはチアの嫁がいるからって余裕しゃくしゃくだな。

チームの奴の彼女や嫁は大体がチアかモデルか女優で一般人ってのはあんまりいねぇ。


俺にとってはどうでもいいことだけどみさきはどうなんだろうな…

選手の嫁とか彼女はパーティーとかレセプションで同伴することが多い。
みさきが嫌がれば無理にするつもりはねぇけど同伴すんならほかの女なんてお断りだ。

まぁ付き合ってもねぇから今の段階でそれを考えてもしょうがねぇ。

つーか火神のヤツ……みさきに好きなヤツがいるって知ってたのかよ。

何が“すげぇ好きらしい”だよ。
クッソ腹立つ。



このイライラをぶつけるのはバスケしかねぇ。
とっとと練習してー。
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