• テキストサイズ

最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


親父が仕事でいないっつったら「ウチくる?」とか言うからそうすることにした。
明日にはシカゴに戻るから少しぐらい一緒にいたっていいだろ?

みさきが玄関を開けて家に入るとリビングでキスしまくってるこいつの両親

見慣れた光景に思わず笑いがこみ上げる。
みさきの両親はマジで仲がいい。俺がいようがみさきがいようが関係なしにキスして抱き合って見つめあってまたキスみたいな感じだ。

ソファに座った俺にセルジオが鉄拳をお見舞いしてくれるのもいつもの流れだから気にならねぇ。
それでも今回は珍しくみさきが止めに入った。

どうしたのかと思ったら昨日初めてセルジオの鉄拳を受けて爪が引っかかったせいで腕に少し傷があった。

青峰んとこなんか泊まるからそうなるんだよって言ってやりたかったけど知られてないと思ってるみさきを前にそれをグッとこらえて“珍しいな”と誤魔化しておいた。


みさきの両親がデートに出かけてみさきと二人で話をしてると昨日も両親が“抱っこして”とか言ってイチャイチャしてたと愚痴をこぼしてた。

みさきが青峰に“抱っこして”なんて言ったらどうなるんだ?絶対抱っこだけじゃ済まねぇよな。

こいつは結構前からクルーニーが好きでよく画像や動画を見てんのは知ってたけど昨日も見てたとか言うから「青峰と全然似てねぇ」って言ったらちょっと考えて今までのみさきからは想像もつかねぇようなことを言われた。

「青峰君は顔も好きだけど違うの。なんかうまく言えないけど好きなの」

青峰…死ね。
いや、みさきが泣くからやっぱ死ぬな。

挙句「青峰君の名前出さないで。恥ずかしい」とか言ってすげぇ照れた顔していつもみたいに下唇を緩くかんでる。

なんだよその顔。可愛い顔しやがって腹立つな

茶化して「緩んだ顔見て来い」っつったら「緩んでない!」とか言うからこっちもムキになって言い合って笑った。

あー可愛い。色気はあんまりねぇけど。

その後俺のCMの話から自分で青峰の名前出してまたデレた顔してる。

みさきがこんな風に男のことを話すのは初めてで、俺の知らない表情を引き出したのが青峰だってことに若干の腹立たしさを感じるけど、可愛い表情を見れて満足でもある。


膝枕して寝るみさきを見ると今までほとんどしていなかったピアスが目に入った

これは青峰からだろうな。
あの青峰がな……
/ 1719ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp