第7章 近づく距離
食事を済ませて部屋に戻ったら甘いものが食べたくなってきた。
「ねぇねぇ…甘いものちょっと食べたくなっちゃった。アイスとかケーキみたいなの」
「じゃぁルームサービス取るか?」
「うん!青峰君は?」
「ちょっと食いてぇけど、あんまり食うとダルくなっちまうから、黒須の少し貰ってもいいか?」
「もちろん。一緒に選ぼ」
選手でいるために好きなものをいつも我慢して体を優先してるのに、あたしの突然のわがままも聞いてくれて、アレルギーも大丈夫かって気にしてくれている。
「オレンジリキュールとアメリカンチェリーのアイスおいしそう」
「じゃあそれにしよーぜ」
「いいの?青峰君食べられる?」
せっかくたまにの甘いものだもん。
青峰君が好きな味を一緒に食べたい。
「それヨーグルトベースだろ。小学校の時、さつきの家でおばさんがよくフローズンヨーグルトっての出してくれて、それすげー好きだったからそういうの久しぶりに食いてぇ」
青峰君とさつきはやっぱり結構似てる。
さつきも一緒に温泉に行ったときにフローズンヨーグルトを見つけて喜んでた。
子供のころ大ちゃんとよく食べたんだー!って言っていて、多分その時に初めて大ちゃんって名前を聞いた気がする。
忘れてたけど、なんか今突然思い出した。
「いちごも一緒に食うか?」
「うん!」
お夕飯は食べたけどデザートは別腹。
青峰君がオーダーをしてくれて、届くまでに一緒に紅茶を選んで淹れて、リラックスウエアにも着替えた。
食事と違ってデザートだけだからなのか、頼んで15分もするとチャイムが鳴って、バトラーがセンターテーブルにアイスといちごを置いてくれた。
「アイスすごい色可愛いね」
ベースの白にまだらに溶け込むチェリーの濃いピンクと、ソースの様にとろりとお皿に飾られたオレンジリキュール
お皿全体を引き締める濃い赤のバラの花びら。
バトラーさんが、このお花は食べられるってさっき説明してくれた。
「俺の知ってるフローズンヨーグルトからすげーレベルアップしたわ」
二人でアイスを食べて、いちごは青峰君は1つしか食べず、全部ヘタを取るとあたしの口に入れてくれた。