第7章 近づく距離
大きな窓から差し込んでくる朝日がまぶしくて思わず目を開けた。
そっか…
昨日あたしが夜景を見たいだろうからって閉めずにいてくれて、そのまま寝ちゃったんだ…
寝た時と同じように相変わらずあたしを抱きしめてくれてる腕の中からこっそり顔を盗み見ると、眩しそうに顔をしかめるのに全然起きる気配は無い。
それどころか、さらにあたしをぎゅっとして朝日から逃げるようにもぞもぞとブランケットに潜り込んでまた寝息を立ててる。
大我はこちょこちょすると起きるけど青峰君にしたら怒られそうで、特に予定もないんだし起きるまで寝かせてあげた方がいい様な気がした。
気持ちよさそうに眠る青峰君を見るとちょっといたずらしたくなって、腕から少しだけ体をずらして青峰君の鼻に触るとくすぐったそうに少し笑って顔を背けた。
なんか猫みたいで可愛い。
でも青峰君は猫ってよりもクロヒョウ。
ちょっと野生っぽいんだけどすごく綺麗な顔立ちで、肌が黒くて体は触れると硬いからきっとすごく締まってる。
多分あたしが青峰君を好きだからそう思うのかもしれないけど、本当にすべてがかっこいい。
「こんなにかっこいいなんてほんとズルい」
あたしがもっと巨乳ならよかった。
そしたら少しは女の人として見てくれた?
女の人として意識されるのは怖い気がしなくもないのに、そう見られたいなんて変なの…
これを矛盾って言うんだよね。
好きって難しい。
一向に目を覚まさない青峰君はあたしを抱き枕か何かだと勘違いしてるのか更にきつく抱き込んだ。
だけど気持ちいい。
適度な圧迫感がたまらなく気持ちいい。
あたし用に作られた入れ物にぴったりと収まる感じで、全身が包み込まれて出るのが嫌になってしまう。
「好き…」
誰にも聞こえないように小さな声で自分の気持ちを確かめて、青峰君が起きるまではこの腕の中から出ない。
きっと青峰君じゃなかったら同じ部屋に泊まるなんて絶対しなかった。
初恋のくせに大胆なことしたなって自分でも驚きだけど、青峰君に距離を縮められるのは嫌じゃなくて、今まで恋愛を遠ざけてた自分とは別人になった気分がした。
青峰君に特別な人ができるまではいいよね…?
正解なんて分からない。
だけど今はいいんだって自分に言い聞かせて逞しい胸に頭を寄せた。