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最愛 【黒子のバスケ】

第3章 確信


二次会会場に到着後すると美しい装花に目を奪われて少しの間魅入っていると後ろから大きな車が近づき店の前にゆっくりと止まった


完全に停車したリムジンの扉が開かれると赤司さんが降りてきてにっこりと笑って声をかけてくれた

「運転に粗相はなかったかな?」

「粗相なんてとんでもないです。今までの移動で一番快適でした」


車に詳しくなくても見ただけで高級車だと分かる車は振動1つ感じなかったって言っても過言じゃない


「それはよかった。桃井もすっかり酔いがさめたようでよかったよ」

「あっという間に醒めました」

さつきは酔うのも早いけど醒めるのも早いからもう今は完全に素面に戻ってた



「テツ君♡」

「さつき。大丈夫ですか?」

さつきが嬉しそうに駆け寄るのは黒子君
少し前から付き合い始めたことは聞いていたから、さつきの嬉しそうな顔が可愛くてちょっとだけ羨ましかったりもする



「さっき大丈夫だった~?」

「あ、ハイ…お騒がせいたしました」

ゆったりと声をかけてくれたのは一番背の高い人
見られていたことが恥ずかしくて小さく返事をするとゆるりと口元が笑ってくれた



「お、早えーな。黄瀬は?」

「美緒に電話してる」

ジャケットを羽織り直した大我のチーフを整えながらウキウキの黄瀬君の様子を伝えると苦笑いしてる




「あー…やっと目ぇ覚めた」


笑いながら降りる青峰さんはさっきと違うタキシードだけど完璧に整えられてる

タキシードの替えあってほんとによかった…


大きく体を伸ばした青峰さんと目が合った気がしてちょっと会釈してみると手を挙げてくれた

そんな何でもないことなのに今まで感じることのなかったくすぐったくて温かい気持ちが広がる

それでもこれは好きとかじゃない。
初対面の男の人に劇的な助けられ方をしたせいで脳が勘違いしてるだけ


真太郎の結婚式が終わったらもう会うことはない
会わなければきっと今まで通りの自分に戻れる


恋愛なんて所詮、脳内物質の異常分泌が原因で気のせいに過ぎない。思い通りにいかなければすぐに気持ちなんて冷めてしまう


これまでもずっと自分に言い聞かせてきたことを改めて脳内で繰り返して、クラッチバックを強く握りしめて会場の階段を上ると、深く深呼吸して花の香りを思いっきり吸い込んだ。




あたしは絶対恋愛しない
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