第1章 捜索
キラーは周りの船員の面子を確認する。
今いるのは、キッド、キラー、ヒート、ワイヤーだ。
他にもいたが、キッドが椅子を蹴飛ばした辺りで、ほとんどの船員が退室をしてしまったらしい。
とにかく、自分以外のこの二人になら、説明しておいた方がいいかもしれない。
キラーはそう考えて、キッドに許可をもらおうとした。
「キッド、アイツらに説明するか?」
「ああ・・・そうだな・・・」
今、丁度時間があるのだから。
航海している間に、だいたいの説明をしておけば、上陸してからスムーズに菜月の捜索ができるだろう。
「ヒート、それにワイヤー。ちょっといいか?」
キッドが船員に声をかけた。
かけられた方は、何か重要な話があるのだろうと予想したようで、静かにキッドたちと同じテーブルに着いた。
「次の島にいつ到着するか、まだわからねぇが・・・。島に上陸したら、女を探してほしい」
「・・・女?」
首をかしげる二人に、キッドはキラーを一度見た。
視線に気づいたキラーが、大きくうなずいた。
はぁ、と大げさに息をついたキッドは正直に説明する。
「これから俺が言うことに関しては、嘘はねぇ。全部事実だ・・・信じるか信じないかは、お前ぇらの自由だが」
「話してください。俺らは信じます」
まだ説明する前にもかかわらず、二人はキッドを信じると断言した。
その言葉に後押しされて、キッドは漸く本題を語った。