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小鹿の隠れ家

第1章 恋愛に至る道(出会いから恋に辿り着くまで)


休憩を多めに取る様な形で、全員の予定や部隊の組み方が書かれている。万遍なく刀剣男子たちの錬度が上がる様に組まれた計画表に目を瞬かせた光忠は、まじまじと隣に座る佳乃子を見やる。

「前任の審神者だった方のスケジュールや計画をこんのすけ様に確認して、今後行かなくてはならない場所の情報を既にベテランとなった審神者の方々にお聞きして」
「いつの間にやっていたんだい?」
「え? えっと、昼間の空き時間にちょっとずつ……」
「無理はしてない?」

中身について問われているのかと思った佳乃子が、それを作れた理由を口にしていると光忠が言葉を遮って問いかけてくる。
佳乃子はきょとんとした表情で光忠を見ると、何か悪かっただろうかと戸惑った様子でその問いに返事を返す。佳乃子としては暇を持て余して今後の計画を立てるに至ったわけだが、心配そうな光忠の表情にやったらいけないことだったかと徐々に不安になる。
言葉尻が小さくなっていく佳乃子に、光忠がまた問いかけて、その内容に自分の身体の心配だったと悟った佳乃子はコクコクと何度も頷いてみせた。
光忠はその様子を油断なく眺め、特に寝不足になっているような様子もないことに安堵しながら佳乃子の頭をそっと撫でる。
意外にも、この主はやり手なのかもしれないという感想を抱きつつ、もう一度計画表を眺め特に異論がないことを伝えると書面を返した。

「明日、皆に会って貰うから今日は早めに寝てね」
「……はい」
「そんなに嫌そうにしないで、ちゃんとついてるから」
「……はい」

渡した書面を片付けるために立ち上がった佳乃子に、同じく午後の予定をこなそうと立ち上がった光忠が声を掛けると不承不承と言った風な声で小さく返事が返る。
光忠は苦笑しながら念を押して、佳乃子の髪を撫で梳くと書面を置いたら午後の予定をこなそうかと声を掛けてその背を促した。
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