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モデルのボーダー隊員~番外編~

第9章 年中行事〜七夕〜


玉狛ver

「アキ先輩、タナバタってなんだ?」
「七夕って言うのは、日本のお隣の中国っていう国の物語だよ。
ざっくり纏めると、織姫という働き者の美人な女性と、彦星というこちらも働き者で真面目な男性が結婚したはいいものの、お互いを好きすぎて仕事しなくなって、怒った神様が2人を天の川っていう川を間にして引き離しちゃったのね。悲しくて更に仕事をしなくなった2人を見かねた神様が、年に1度だけ会える日を作ってくれて、2人は頑張って仕事するようになったのね。
で、当日の夜やっと会えると思った矢先に雨が降って天の川が氾濫しちゃって渡るの渡れなくなったの。どうしようかと思っていると、どこからかカササギっていう鳥の群れが飛んできて、川の上に大きな橋を作ったの。2人はその上を渡ってやっと再会できたっていうお話。これが七夕だよ」

3の口、三の目でうんうんと頷きながら聞いてくれた遊真君は「なるほど」と一言。

「恋の話って聞いてたけど、あんまりロマンチックじゃないな」
「まぁ、それだけ聞くとね。でも、綺麗な夜空を2人で眺めながらのデートって考えたらロマンチックでしょ?」
「それはたしかに。俺とアキ先輩はよくしてるけどな」
「そうだね。今日は僕だけじゃなくて、玉狛のみんなと一緒に夜空を眺められるよ。2人だけの時も楽しいけど、大勢の時もきっと楽しいんじゃないかな?」
「それは楽しみですな。レイジさんのゴハンとアキ先輩のデザートを食べながら、みんなで夜空を見る。これもこれでロマンチックですな」

わくわくした様子で話す遊真君を撫でながら、「僕も楽しみだよ」と微笑む。僕や玉狛第二の子達にとって、玉狛での初めての七夕だ。今僕達が話していた間も、みんなで部屋の飾り付けや料理の準備をしている。

「修、それこっちにちょうだい」
「はい!どうぞ」
「がんばれ!おさむー!こなみー!」

「宇佐美先輩、あっち終わりました」
「じゃあ次はこれだね!蓮琉君も一緒にお願い」
「わかった」

「千佳、あの食器持ってきてくれるか」
「わかりました。どうぞ」
「ありがとう」

レイジさんの方はそろそろ終わりそうだ。

「僕達もそろそろデザート作り始めようか」
「了解」
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