第25章 不安な夜に寄添う(R18)
「瑠璃〜」
こちらに戻って来る瑠璃に手を挙げ声をかける。
「政宗、おはようございます。来ていたんですね」
口調は穏やかだが、凛として笑顔もない。
冷たいと言うよりは硬い表情。
「ああ、ちょっと気になってな」
政宗が目を合わせてみても
「そうですか」
かなり素っ気ない。
(来てみて正解だったな)
まるで興味の無い相手に接している様だ。
「おーい、冷たい言い方だなー。家康が移ったのか?」
「別に」
「…ますます ソックリだな〜。
とりあえず、瑠璃、もっと肩の力を抜け。
ガッチガチじゃねぇか。あんなに力んでちゃ、
当たるもんも当たんねぇぞ」
軽い口調で爽やかに笑う。
(あ……)
笑いかけられた瑠璃はハッとしたように政宗を見た。