第24章 家康の特訓
翌早朝、
瑠璃は政宗に連れられて、徳川御殿に出向いた。
「よろしくお願いします」
「よろしくしないからヤメロ」
瑠璃が挨拶をするなり、家康はいつものように、素気無く返してくる。
そして、横目で瑠璃を見て嫌そうな顔をする。
(言ってもないのに、瑠璃の姿で来るなんて。
隙の無い女だな)
隙だらけで、正反対の美弥を思い出した。
「それ…、あんたが?それとも政宗さん?」
「なんの事だ?」
政宗が瑠璃に、女の格好で行こう
と言ったのでは無いようだ。
「障子に目あり、です」
「可愛げの無い、嫌な女だね、アンタ。
…でも、悪くない」
「おっ、お前が誉めるなんてどう言う事だ?」
政宗がニヤニヤと家康をつっ突く。
「誉めてませんよ…行きます」