第23章 政宗の小姓2
瑠璃が政宗の怒りを買った翌日。
その日も、首に腕に、手首に包帯を巻いている以外はいつもと同じように登城した瑠璃。
女達は包帯だらけの瑠璃をしきりに心配しながらも、黄色い声援をくれ、瑠璃もそれに爽やかに応えて、政宗の政務室に向かった。
朝の申し渡しを終わらせた政宗が、一足遅れて入って来て、机の前に座るや否や、
「今日は秀吉の城下視察に同行する。
忙しい。
一日中城を空ける。
今日は三成と一緒にいろ」
チラッとだけ瑠璃を見ると、追い払う様に言った。
(まだ怒ってるのかしら?…怒りたいのは私なんだけどっ)
瑠璃の怒りたい理由は、あちこちに巻かれた包帯だ。
政宗は怒っていると言うよりは、昨日の今日で、
どんな態度をとっていいのか分からなくて、
距離のある言い方になっている。
政宗の口調に、瑠璃も素気無く答える。
「分かりました」
政宗とは必要最低限の会話を交わし、
退室すると三成を探して城内を歩いていた。