第20章 禁止令発動
「だって、似てるから、分かりやすいです」
「あぁ、そう言う事か。でも、お前 あんなに歪んで無いだろう」
「あー。今度、家康様に会ったら、言いつけてやーろう」
「瑠璃っっ」
戯れながら、政宗は腕の中に瑠璃を囲う。
それは、久しぶりの感覚。
膝に座らせ後ろから抱き締め、瑠璃の首筋に顔を埋める。
「私、政宗にこうやって、抱き締めてもらうの好きです。
もう倒れたりしないから、離れているのは止めて下さいね」
瑠璃が政宗の手を包むように握って言う。
「でも…自主規制って、あんなに遠くに居なくても良かったんじゃないですか?」
「俺が自主規制〜?なに言ってんだ。
家康から接触禁止って言われてたんだよ」
瑠璃の言葉に、苦々しく反論する政宗。
(家康様ったら)
「あっっ、はははは」
瑠璃が珍しく声を上げて笑う。
「なんで、そんなに笑うんだよ」
「だーーってッ」
訳の解らない政宗だったが、瑠璃が声を出して笑うので、釣られて笑顔になる。
「政宗、接触禁止は解除します。でも、
節度を持って、優しく触れて下さいね」
「うわ〜〜、本当、家康にそっくりだな」
久しぶりに、穏やかな午後が過ぎていった。