第15章 突然
カカシとヤナギの実家をでて、ハンバーグ店で昼食を食べた。大事な位牌や金庫、アルバムは後日、日を改めて取りに行くことに決めた。
食べ終わったあと、私たちは三代目が待つアカデミーに向かう。となりに並んで歩くカカシに近づいた。
「カカシ、ハンバーグおいしかったね。ありがとう」
カカシの腕を掴んでお礼を言った。ランチ代を奢ってくれたのだ。なんて気前がいい。ラッキーだ。
「あれ美味かったよね、イカとタレとマヨネーズで焼かれたヤツ」
カカシは
食べたメニューを思い出して
言った。
「うんうん、美味しかったね!今度お家で作るよ。簡単そうだし」
オーブントースターで焼いたのだろう。タレは醤油とか、みりんを使った味だ。あとはピーマンを添えて……と、私がレシピを考えていたら、カカシにガシッと肩を掴まれた。
「お前、料理できるの!?」
なにを失敬な。
カカシは驚いた顔で聞いてくる。仰け反ろうとしたら、私は知らぬ間にカカシの腕を掴んでいた。
「あ、ごめん」と言った。本当に距離感がなくなってる。ダメだなあ、私。身体を離すと、カカシは目を半眼にして、不満そうな顔を見せた。マスク越しだが、への字口をしてるのがわかる。
「別にいいのに……掴んでても。オレは当たって嬉しいんだよね」
「……は、はい? 」
意味が分からない。
「お家に帰ったらさ、またしようよ。帰りにゴム買いに行こうか?必要でしょ?」
目じりを下げて聞いてくるカカシ。
昼間の人通りの多い場所で
言うセリフではない。
「……な、なにをワケのわからない話を……。あー、話変えよ!」
意味不明な発言はスルーだ。恥ずかしい。咳払いをしてから、私は先ほどの話に戻した。