• テキストサイズ

【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第12章 闇 終焉の地


花奏は、

ヤナギの背中をみた。

何年たっても恨みは消えない。両親を追い込んだアイツを許せない。そう言って黙ったまま、終末の谷を見つめるヤナギ。



「5分たった。よし、行こっか、カカシ来なさそうだし、花奏ちゃん?」

にっこり笑い手に触れる。ヤナギの手は、あの日のように冷たくてひんやり。

「わかった……」

うん。と私が一歩
足を動かしたときだった。







「花奏!!」


突然、自分の名を呼ばれて
振り返る。

汗だくで、息を切らしたカカシが
中腰の姿勢でいた。


「カカシ……? 」

来てくれた……嬉しい。


いや、ちがう。


「な、なにしに来たの?」

来ちゃダメって
パックンに言った。


逆の立場で考えて、と。


「カカシ……わざわざ、死なないでいいから。 もう、私が里を出れば丸く収まる。 ね? だから……」


私がそう言うのに、
カカシは私を見て
クスクスとおかしそうに笑う。

「必死すぎだろ、大丈夫だって」

目を見開く。いま笑った……?

「なにが大丈夫なの!根拠ないじゃん、だいたいチャクラ残ってないのに……」

もう私の話を聞かないカカシは、ヤナギのほうに目を向けた。


「ヤナギ、まだ行ってなかったんだな、待ってもらって悪かったな……」


ふぅっと、息を整えるカカシは、右手をバチバチと青く光らす。


「やるのか? お前の暗部の部下、全員の首が吹っ飛ぶぞ? いいんだな?」


「それは……イヤだね」


そう言うとカカシは
千鳥を放ったまま、腕をあげる。


「花奏」と呼んだ。


「お前は、ずっとそばにいてくれたんだな。ありがとうな。 あの日から、いや、たぶんもっと前から……オレは花奏が好きだったよ」

「カカシ……?」


優しく私を見ていた。穏やかに。
愛しい人を見つめるように。



「目、閉じとけ、トラウマになるぞ」

「……え? カカシ? なに?」

と聞いても、カカシは薄く笑みを浮かべるだけ。

「 ヤナギ、悪かった」




そう言った瞬間、

なんの躊躇いもなく


自分の首に千鳥を当てた。



「っ!!」




/ 561ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp