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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第16章 #最終決戦と大事な人


三輪視点

迅に言われた通り、明希の事を気にしながらトリオン兵を潰していた時だった。突如建物が崩れ落ちていく光景と大きな音がしたため、そちらに急行した。

到着すれば人型2人と、左手足が歪み動けない明希が見えた。
迅の言っていたピンチがこの事だとわかるのに時間はかからなかった。ここからじゃ弾丸も届かない。近づくには時間が足りない。蓮さんに報告を入れ、応援を頼んだあと、「風刃」を使う。

トリガーを解除し、風刃を起動する。鳩尾を殴られて気絶した明希を確認して、人型の腕目掛けて風刃を振るう。

「!?何だ...!?」
「今すぐそいつを離せ。さもなければ次は首を飛ばす」
「何だお前は」
「貴様に名乗る必要はない」

青い人型が女の人型を呼ぶ。

「はい」
「暫く相手してやれ。私は金の雛鳥を部屋まで運ぶ」
「承知いたしました」
「待て!」
「動かないでちょうだい。貴方の相手は私よ」

青い人型を追おうとするも、いきなり出てきた釘のような物によって遮られる。
その間に青い人型は、明希を抱き上げて奥へと消えていく。

「邪魔だ」

そう一言吐き捨て、女の人型に向けて風刃を放つ。壁伝いに飛び出した斬撃によって片腕が取れるのを確認した。もう少しで応援が来る。それまでの時間稼ぎが俺の仕事だ。

「壁伝いの遠隔斬撃...アレ程では無いにしろ厄介ね」

女の人型は呟きながら釘での攻撃を繰り出す手を止めない。俺の体には掠り傷が少しずつ増えていく。

「そろそろ諦めたらどう?金の雛鳥は今頃隊長の腕の中よ?」
「黙れ!返して貰うまで、俺は諦めない!」
「立派なものね。あんな子の何がそんなにいいの?トリオンと戦闘力は確かに良いものを持ってるけど、所詮その程度。...カラダは良かったわね」
「お前らが知らなくていいことだ!」
「知ろうと思わないわ」

冷たい目と声でそう吐き捨てた女は再び釘での攻撃を繰り出す。
避けた先で釘が待ち構えているのに気付き、避ける方向を変える。変えた先はゲートの外の景色が見える。

「!」
「さようなら、玄界のトリガー使い」
「まだだ!」

風刃の残りを全て人型へ放つ。いくつかは避けられたが、2・3発が人型に命中し両足と脇腹に傷が入った。

「アステロイド!!」
「幻陽弧月!!」

それと同時に聞きなれた声が聞こえる。
やっと来た応援に、少しの安心感を覚えた。
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