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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第14章 嫌な夢と侵攻


数日後の夜、久し振りに夢を見た。
それは全く良いものではなく、過去の思い出したくない記憶のようなものだった。

小学校高学年くらいの僕が下校していた。その少し後ろを知らない男がついて行く。
一見ストーカーの様にも見えるが、特有の変態っぽさや病んでいる感じは一切感じなかった。少し髪色が変なだけで、特に変わった様子ではなかった。
小さい僕はそれに気付いているらしく、気にしてはいたがまっすぐ帰ることを選んだようだ。家には家族がいる。何かある前に帰った方がいいと判断したようだ。
小さな僕が家に入ると、男は何か機械のような物を取り出す。ミュージックプレイヤーの様なそれの画面を見つめて、何かを喋ったり何かに驚いたりと、世話しなく顔を動かす。
僕にも小さい僕にもそれは見えないけど、何か不吉な予感だけはした。
男は驚いた顔を見せたあとすぐに帰って行った。

その日から5日後、僕は旧ボーダーに、家族は少し遠くへ買い物に行った。間の5日間、特に変わった事なく過ごせていた。あの男もそれっきりだった。
ボーダーで夕方まで訓練をして家に着くと、鍵がかかっていた。家族はまだ帰って来ていないようだ。持っていた合鍵で中に入り、お風呂だけ入ってリビングで帰りを待つ。
しかし、何時まで待っても帰って来ない。しまいには7時越えてしまった。家族は僕を置いて3人で外食なんて事は絶対にしない。「食事は出来るだけみんなで」が我が家の決まりのようなものだったから。
そして1時間が過ぎて8時になろうとした時、インターホンが鳴った。次いでドアが叩かれ、外から「明希!」と僕を呼ぶ声が聞こえて来た。急いでドアを開ければそこには悠一が見たことない程に焦った表情でそこに立っていた。

「どうしたの?悠一。そんなに慌てて...」
「今すぐテレビ付けて!」

そう言って僕を引っ張ってリビングに上がる。テーブルに置かれたリモコンで電源を入れた悠一は、ニュース番組に切り替える。
画面に映ったのは潰れた車とその残骸だった。あまりの惨状に思わず「うわっ」と声が漏れる。酷い有り様だった。まるで大きな板で上からプレスされたような、座席も窓も全てペシャンコになっていた。
よくよく見るとこの車に見覚えがあった。いや、あったなんてものじゃない。この車は...

「この車、お父さんの...?」
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