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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第19章 睡眠不足と姉弟


宇佐美視点

任務が終わってすぐに、迅さんと遊真君とヒュ...蓮琉君に明希ちゃんの事を伝えた。
緊急脱出したレイジさんが蓮琉君を抑えて、本部に行かないようにしてくれたのは有難かった。
修君と千佳ちゃんは本部にお使いに行っているので、電話で伝えるとすぐに探し始めてくれた。

私もレーダーでトリオン反応を探す。明希ちゃんは今トリガーの使用を禁止されているから、探すならレイジさんの言っていた4人の反応だ。
レーダーの範囲を本部まで広げると、4人の反応はすぐに見つかった。全員それぞれの隊室にいるだけで、違和感はない。

「もう一緒じゃないのかな?」
「お?宇佐美どうした?」
「あ、ボス!居たの忘れてた!」
「え、酷くね?」
「すみません!実は明希ちゃんが見つかったんですよ!今玉狛総出で探してるんです!」
「本当か!俺も探しに行くぞ!」
「お願いします!」

ボスが車を出して本部へ向かう。
陽太郎はまだお昼寝中だから心配ないとして、蓮琉君はまだレイジさんに抑えられているようだ。少し可哀想に思えて来たけど、こればっかりは仕方が無い。

引き続き見つけた反応を見ると、今度は反応の位置が変わっていた。
奈良坂君は狙撃手訓練場、他の3人は模擬戦ブースに向かっていた。やはりこれと言った不審な点はない。

「やっぱり一緒じゃないのかな」



シュウ視点

公平に隊室まで運ばれて、緊急脱出ベッドに寝かせられる。寝れないって言ってんのに。

「寝れなくても体は休めとけ。話はまた今度聞かせてもらうからな」
「結局聞くのかよ」
「何も知らないままってのは嫌なんだよ。頼むぜ」

そう言って1人ずつ俺の頭を撫でて部屋を出て行った。そこで【明希】に人格を戻す。

恐ろしい程の疲労感が僕を襲う。
せめてメイクは落とそうと身体を起こすも、動きにくい事この上ない。鞄の中のポーチから愛用のコットンシートでメイクを落として鏡を見る。目の下には酷い隈が出来ており、肌も少し荒れていた。

寝れない理由はあの時のトラウマだ。起きたら薬のせいで身体が火照り、上手く動かせなくなった時の恐怖。抵抗も虚しく、そのまま乱された事を思い出してしまって寝れないのだ。

「誰か...助けて...」

暗い部屋の中、恐怖に怯えて布団に包まる。
こんなに辛くて悲しくて寂しいのに、とうとう泣くことも出来なくなった。
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