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[黒子のバスケ] ロックオン

第2章 旅立ち


「でも…友好的な人間かは分かりませんよね?」

「「……」」

「何故黙る」

「そ、そこまでは考えてなかったっつーか」

「高尾!!」

「声が大きいですよ緑間くん」

「…ふん」



何とも言い難いやり取りである。
声の感じからすると同年代のように思えるし、悪意は感じられない。だけど、一点だけ気になった言葉がある。
"人間かわからない"
とは何だ?気配で人がいると判別出来る眼、と言うのは分からなくもない、そういったバスケ選手がいる事はアメリカでも見てきたから。
なら同じバスケ選手だろうか?
さっぱり分からないが、ここは賭けに出てみよう。



ガラッ



「えっ!?」

「…やっぱりか」

「お、女の人…ですね」

「…人間、で間違いはないな。」

「だから言ったろ?」

「君達は誰?ここは…!?」



静かに開けたつもりが建てつけの為か、思いの外音を立てて開いた引き戸に、三人が驚き飛び退いた俊敏性とその動きで、やはりバスケ選手だと分かるといくらか安心した。
しかし三人は其々驚きながら此方を見ては話だし、は疑問が更に深まる。
その理由が知りたくて口を開いた時だった、暗闇の向こう…
まだ数十メートルは離れてはいるが、三人とは別の気配を感じた。



「…何かくる」

「えっ?」

「高尾。」

「あ、ああ……!まずい真ちゃん、奴が来る」

「チッ」

「逃げましょう!貴女も来て下さい、ここは危険です」

「…!」



姿形は暗闇で見えないが、微かな唸り声が聞こえる
人間には感じられない。
まるで野生の動物…否野獣のような気配に、の額から汗が流れる。
その間に三人も焦り一人の少年に手を取られたかと思うと一目散に走り出した。
結構な距離を走っていると私の手を引く少年の息が乱れてきた。
少し心配になりつつ後ろを確認すると、先程感じた嫌な感覚は消えていたので私はそっと手を離し立ち止まる。



「ど、…どうしたんですか?逃げないと危ないですよ」

「大丈夫、さっきの気配は感じない。この辺りは私達以外はいないんじゃないかな?」

「えっ?」

「っと!どーした黒子?」

「高尾くん、もう逃げなくて大丈夫だと彼女が…」

「…あっ、マジだ。もう追ってきてねぇな。」

「……お前はいったい何者なのだよ、ただの女ではないな。」

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