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[黒子のバスケ] ロックオン

第7章 お前だけは許さない


 
「!今吉さん達ではないな…」

「ああ、彼らならば普通に開閉できる。まさか…」

「ここに誰かいんのか?あけるぞ?」



二、三度叩かれた後にそう聞こえて来た声に、氷室は息を飲む。
その声は、忘れようもない2年前の悪夢を呼び覚ます声だった。



「簡単にあくじゃないか…、ん?何だお前ら?」

「外人?誰だよ…」

「に、人間ですね…」



火神と黒子は開閉して入ってきた金髪の見知らぬ男に、動揺しつつ人間であった事に安堵していたが、氷室の異様な様子に花宮は気付き、肩に手をかけようとしたが、それより先に立ち上がった氷室は真っ直ぐに金髪の男の元に歩み進む



「…何故、あんたがここにいる。」

「あぁ?誰だお前…」

「オレを忘れたのか?2年前、オレから大切な人を奪っておきながらっ」

「2年前?」



氷室だけが金髪の男の正体を知っていると分かると、皆ざわつき出す、しかしその先に立つ氷室の眼光の鋭さに皆息を飲んだ。怒りを抑えきれないのが目に見えていたのだ。



「ナッシュ、貴様だけは許さない。」



名を呼ばれた男は驚いたように目を細めると、氷室を見つめ考え込む。そんな二人のやり取りを見ていた火神が二人の間に入ると、ナッシュに視線を移した



「お前、2年前ってのはまさか…お前がと辰也を引き離したんじゃねーだろうなっ!?」

「…?」



その名を聞いたナッシュは目を見開いたかと思うと、すっと顔を俯かせ肩を震わせ始める



「クッ…クックッ…アハハハ!そうか誰かと思ったが、そういう事か」

「テメェ何を笑っていやがる!」

「これが笑わずにいられるかって?思い出したぜ、まさか2年前この俺にボロカスにやられたヤローだったとはな、確か虹村って男との三人でこの俺にバスケで挑んで手も足も出ずに負けたんだったな?」

「何?辰也が負けた?」

「虹村さんが…」

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