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[黒子のバスケ] ロックオン

第2章 旅立ち


アメリカ


この地に渡って三年の年月が流れた。
最初こそ言葉の壁があり、友人もなかなか出来なかったが、バスケを通して親しい友も出来た。
今は離れ離れになってしまった大切な大切な友人達…。
また、会いたいなー…



「んー、漸く片付いた」

「お疲れ、少し休め。コーヒー入れたぜ」

「ありがとう、修!荷造り迄手伝って貰って助かったよ。」

「何だ何だ?妙にしおらしい事言いやがって、柄じゃねーぞ?」

「悪かったね、どうせ私は女じゃないよー」

「ハハハ、バーカ冗談だって、…あっち行っても元気でやれよ?」
 


来週には引っ越すアメリカの我が家の大掃除。
今は一人暮らしになってしまったから荷造りも少なくて済んだが、友人である修が手伝ってくれたのは嬉しい。



修とは2年程前に友人の紹介で知り合った。
本名は虹村修造。
彼も親の都合でアメリカに渡った同じ日本人でバスケ好きとあり、意気投合してからはまるで兄妹のように面倒を見て貰った。
所謂血の繋がらない兄のような存在だ。



荷造りもひと段落して、修の入れてくれたコーヒーを飲みつつお気に入りのソファに腰を落ちつけると、修も当たり前のように隣に座る。
来週にはこの家を出なくてはいけない…。
正直言って、修と離れるのは寂しいけれどもう私がここにいる理由もないのだ。
のそんな心境を知ってか知らずか、修は頭をポンポンと撫でてくれた。



「もう二度と会えねぇって訳じゃない、会おうと思えばいつだって会えるさ。」

「…うん、生きていればいつかまた会えるよね。」

「ああ。つーか縁起でもねぇ言い回ししてんじゃねーぞコラ!」

「いった!暴力やめろ!不良兄貴ッ!」

「愛の鞭と呼べ」 

「真顔で何言ってんだよッ!」



こんな風にじゃれ合う相手にまた会えるのだろうか
別れはやっぱり寂しい
そう…
私は忘れていたのだ、幼い日に約束をした大切な大切な、絆を…
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