第7章 6day
「キャプテン狡いっす!オレたちも彼女欲しい!」
「おれもメスのクマ……。」
ギャンギャンと声を荒げる男達にトラファルガーは深く溜息を吐き出した。そしての横に立ち、肩に腕を回し強引に引き寄せる。
「兎に角、こいつはおれの女だ。手を出すなよ。」
淡々と告げるトラファルガーに対しは顔を朱に染める。しかし首を横に振りトラファルガーに顔を向けてからゆっくりと口を開いた。
「私は何も言わず勝手に島を飛び出して来ました。だから1度、天界に戻ります。心配されていると思うので…。けれど船が移動してしまうと、またここに戻って来れる自信が無いので待っていて貰えるでしょうか…?」
「おれも行く。」
「…ローは飛べませんよね?」
「お前が運べば良いだろう。」
「運べますけど…うーん…。」
顎に手を当てては小さく唸った。彼の手を掴んだまま、飛ぶ事は確かに出来る。けれど同じ雲の上に降り立つことは…。
は己の背から生える翼に視線を移した。そして真っ白な羽を1枚引き抜く。
「これを持って下さい。落としたりしたら雲の上には立てません。後、地上に比べてかなり空気薄いですよ。多分空島より辛いと思います。」
「問題無い。」
「キャプテンも行くんすか?」
「あぁ。天界とやらに興味がある。ベポ、船は任せるぞ。念の為ビブルカードを貰っておく。」
「アイアイ、キャプテン!」
「ビブルカード…?」
「これがあれば船が移動してもおおよその場所が分かる。」
「そんな便利なものがあるんですね!」
キラキラと目を輝かせる。トラファルガーはベポからビブルカードを受け取ると羽根と纏めてポケットへ入れた。そしては再び飛び上がる。
「それでは行ってきます。」
「気を付けろよ。」
「ありがとうペンギン。」
はトラファルガーの手を取った。そして翼を力強く羽ばたかせ一気に空へと舞い上がる。2人の姿はあっという間に見えなくなった。
「随分早いな…。」
「一気に飛んじゃう方が楽ですから。」