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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第25章 異次元の狙撃手、その裏側。


あのキャンプの後、零とは少し前までと同じように、都合の合う日は探偵事務所のソファに並んで腰掛け、まったりと午後の昼下がりを過ごすようになった。
一度だけ、零の家にも行った。

やっぱり罪悪感はある、けれども・・・零と過ごす時間は全く嫌ではなくて・・・

でも秀一さんとも特に変わりなく過ごしている。

未だにこれでいいのか、分からない。
誰かに相談のような事をしたくても、全ての現状を話せる相手はいなくて。

コナンくん・・・新一くんがもう少し大人だったら・・・とは思うけど、生憎彼はこっち方面の話では全く頼りにならなさそうだし・・・



季節はもうすぐ秋。信じられないくらい早かったけど、東京に出てきてもうすぐ一年経つのだ。

その東京では、東都タワーに変わる新名所になるであろう、ベルツリータワーが遂に完成間近だ。



テレビの情報番組で、浅草からの中継が行われているのを、秀一さんと二人夕食を食べながら眺めていた。


「なあかおり、ベルツリータワーは、やはりあのお嬢様の家の持ち物なのか」

「園子ちゃんのこと?うん、ベルツリー系は全部そうらしいですよ・・・あそうだ、一応秀一さんに伝えておきますね」


先日、その園子ちゃんがベルツリータワーのオープニングセレモニーにわたしと昴さんを誘ってくれたのだ。

コナンくんと哀ちゃんとそのクラスメイトに、阿笠博士、毛利探偵、蘭ちゃんと園子ちゃんは行くみたい。
でも真純ちゃんは行かないようだし、それなら秀一さんは尚更行きたがらないだろうなーと思って、断っていたのだ。
(“赤井秀一”は人混みに加えて集団行動や子供の扱いが・・・明らかに好きではなさそうだからだ)


「お前だけでも行ってくればいいじゃないか」

「だって混んでるの苦手だし」

「たしかに態に混んでいる時に行っても存分に楽しめんだろうな」

「そうそう。あ・・・!あそこ・・・前に秀一さんのボスと会った所ですよね!」


テレビでは、タレントが浅草の町を歩きながら名所の蘊蓄を語ったりしている。


「ああ、そうだったな・・・」

「・・・ジェイムズさん元気にされてますか?」

「ん?さあ・・・不調だとは聞いていないが・・・あれだ、一応かおりにも伝えておこうか・・・」


秀一さんは、来日中のFBIメンバーの動向について話し始める。
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