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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第20章 恋は盲目


翌朝、昨日の最後の記憶とは違うベッドに寝ていて。

すぐ隣では既に起きていた様子の零が笑ってこちらを見ていた。

きっとグチャグチャになったベッドから零が移動させてくれたんだろう・・・何とも申し訳ない。

秀一さんもだけど、零もそうだ。なんでこう二人とも朝に強いのだ。
いや朝だけじゃなくて強いのは夜もか・・・
いやいやそもそも全てにおいて彼らは強いのか・・・

寝ぼけた頭で考えながら目を覚ましていく。


カーテンの隙間から光が射し込んできているから、天気は良くなったんだろう。


とりあえず朝の挨拶を交わして、謝る。


「ごめん・・・昨日あのまま寝ちゃった、よね」

「なんで謝るんだ?気を失うくらい良かったってことだろ?」

「うん、そ、だね・・・」


零がそう解釈してくれているのなら、それでいいけど。

寝起きなのも相まってモゴモゴしているとおでこにキスをされて。

だんだん目が覚めてきた。

布団の中で大きく伸びをして。
身体を起こして、支度を始めた。



朝食を食べてホテルを出て、またとんでもない速度の車で東京へ帰る。

今回は予想外の遠出だったけどまあ良かった。

零の機嫌がすこぶる良いから。



東京に着き、家には帰らず直接事務所まで送ってもらい。

車の中でキスされそうになるけれども、そこは営業中のエラリーの真ん前であり。
場所が場所だからとやんわり断ると、零はわたしの手を握ってきた。

そのまま数秒見つめ合っていると、こっちまでキスしたくなってくるから困る。

握られた手を解けずに時間が過ぎた。


でもそろそろ・・・と車を下りて、彼の車を見送り、エラリーを窓から覗いて、ママに手を振って事務所に入る。



さて。

わたしには今連絡を取りたい人物が二人いる。
一人はやはり秀一さんだが、もう一人は・・・コナンくんだ。


まずは秀一さんに帰ってきたことを報告して、コナンくんにメッセージを送る。

“話したいことがあるから学校終わったら一人で事務所に来れないかな。昴さんには内緒ね!”と。


そして。滅多に着ることは無かったが、用意してあってよかった。

事務所に置きっぱなしにしていたスーツに着替えて、業務に取り掛かる・・・でも相変わらず大して仕事の予定はない。
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