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プリーズスマイル!

第1章 first summer



「ちょっといいか?」


ざわざわと揺れる大広間。
学校のアイドルが、女の子に自分から声を掛けるというのは随分珍しいらしい。

いつもと違うその空気感に、は完全に固まった。
そこですかさずリリーが登場。


「ちょっと王子様?うちのかわいいかわいいお姫様をいじめないで下さる?」

「あぁ?なんだよエバンズ。ちょっと話しかけただけじゃねーか」

「あなた怖いのよ。目つきとか。女の子なら誰でも自分に夢中だなんて思いあがらないでくれるかしら?」

「はあぁ?なんだよソレ。勝手にお前らの妄想押しつけんじゃねぇよ」

「はいはいストーップ。わんわんお座り。やぁ、リリー!今日はいつもにまして美しい!怒った顔もキュートだね!!」


バチバチと火花を散らすリリーとシリウスの間にわって入ったのはジェームズ・ポッター。
さらっとリリーを褒める抜け目なさは尊敬に値する。


「うるさいジェームズ。ってかウザいわ」

「ウザッ…!?」ガーンッ


登場数秒で膝をつき崩れ落ちた。
哀れジェームズ。どんまいジェームズ。負けるなジェームズ。

そこで口を開いたのは食後の紅茶をすするアリア。


「まぁリリーの言うレベルまでいくとちょっと偏見だけど。でも珍しいじゃん?シリウスから女の子に声掛けるなんて」

「や、ちょっとコイツに聞きたいことあってさ」

「コイツってのこと?怪我させたの謝りにきたの?」

「それもあるけど…」


そこまでいって言葉を濁すシリウス。
髪と同じ漆黒の瞳がを視界にとらえた。

視線をあげないせいで目は合わないが、も視線が向けられたのは気付くのかピクッと肩を震わせた。


「聞きたいことあってさ。あー…なんだ。そんな大したことじゃないんだけど、なんか気になって。お前さっき誰と話してたんだ?俺が落ちてく前、話し声が聞こえたような気がしてたんだけ……って、え。ちょ、大丈夫か??」


途中でシリウスの声が途切れた。
なぜならの目から大粒の涙がぼろぼろ落ちていたから。
ぼろぼろ、そりゃー大量に。
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